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趣味

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「はい、今日はここまでです。お疲れ様でした。」

「ありがとうございました。」



週に一度、私はクラシックギターの教室に通っている。
たまたまテレビで見たクラシックギターに、私は一目惚れしてしまった。
音色もだけど、あのシンプルで無駄のないフォルムに、まさに一目惚れだった。



今までも多分見たことはあるはずだけど、その時のテレビでとにかくカッコよく見えたんだ。
弾いていたのは、年配の外国人のおじさんだったのだけど、ギターだけが際立って見えた。
そして、数日後、私はクラシックギターを購入した。
飽き性の私のことだ。
どのくらい続くかわからないから、安いのを買った。
だけど、安くても、私の初ギター。
嬉しくて、その晩はなかなか眠れなかった。



自分でも不思議だった。
私は普段あまり衝動的なことはしないのに、こんなに早くクラシックギターを買ってしまうなんて…



(あ……)



そうか、わかった。
これこそが、秋のマジックなんだ。
芸術の秋だから、私もきっとその気になったんだな。



教則本でも見ればわかるかと思ったけれどまるでわからない。
私はギター教室に通うことにした。
私みたいな初心者でも大丈夫なんだろうかと心配してたけど、行ってみたら、私と同じくらいの超初心者の人がいた。
きっと、その人もマジックにやられたんだ。
芸術の秋のマジックに。



その人に負けないように、というのが励みになって、家でもずっと練習した。



「いたっ!」



仏壇の蝋燭に火をつけようとマッチを擦ったら、指が痛んだ。
ギターの練習のし過ぎだ。



御先祖様も驚いているだろうな。
私がこんなに真面目に練習していることを。



その後も私はひたすらギターの練習を続け…
ついに『禁じられた遊び』が弾けるようになった。
超初心者の人はまだ全部は弾けない。



(勝った~!)



それがまた励みになり、私のギター熱はますます高くなった。
きっと、冬になってもこの情熱は冷めないことだろう。
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