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第12章…双子の王子様

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 「親父!俺もカパエルも元に戻ったぜ!」

「おおっ!!」

「まぁっ!そうだわ…この顔よ…
あなたの小さい頃の面影通りだわ…」

 国王と王妃は、二人の顔をまじまじとみつめた。



「……で、こっちがカパエルなんだな?」

「うん、顔はミカエルだけど、僕、カパエル!」

「おまえはずいぶんと大きくなったんだな。」

「うん。カッパの食生活が良かったんだって!」

「そうかそうか…それで、ミカエルから話は聞いてくれてるんだな?
おまえがこのノルディーナ王国を継いでくれるんだな。」

「うん。僕ね、ミカエルの双子の弟だったんだって!
だから、ミカエルがフィンラの国に行ったら、僕がこの国を守っていくんだ。」

「そうか、そうか。」

「親父!そういうことだから、俺はアンジェリーヌと結婚してフィンラの国に行く。
それで良いよな?」

「あぁ…おまえの好きなようにしなさい。」

「やった~~~!!」



ミカエルはその言葉を聞くなり、喜び勇んでアンジェリーヌの元へ報告に走った。







「アンジェリーヌ様…!」

「……どなたかしら?」

「ミカエルです。」

「まぁ、いやですわ。ご冗談ばっかり…」

「顔が変わっているのであなたがそうお思いになるのも当然ですが……
アンジェリーヌ様、実はこれには深い事情がありまして…」

ミカエルはこれまでのいきさつをアンジェリーヌに話して聞かせた。



「本当なのですか!
では、やっぱりカパエルの記憶は真実だったのですね…!?」

「はい。所々、間違ってはいましたが……とにかく、そういうわけですから、私は何の問題もなくフィンラの国に旅立てます。
カパエルも国王や王妃も賛成してくれました。」

「カパエルが……」

その言葉に、アンジェリーヌの顔が急に曇った。



「いつ旅立ちましょう?
それとも、先に新婚旅行にでかけますか?
いや、まだ正式には結婚してませんからそれでは婚前旅行になってしまいますね。」

「もう少し時間をかけて……」

「何をおっしゃるのです!
皆、あなたと私の結婚を楽しみにしているのですよ。
私が片付けば、カパエルもすぐにお妃をもらうことになっているのですから。」

「カパエルがお妃様を…!」

「何を驚かれているのです。
彼ももう人間に戻ったのですから、当然のことではありませんか。
先ほども、お姫様リストをみながらとても楽しそうに品定めをしていましたよ。
あの調子ならすぐにでも決まるでしょうね。」

「カパエルがお姫様リストを……」
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