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キャップ型の帽子
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「ここにもないなぁ…」
翼君は何かほしい物があるらしく、さっきから店の中をのぞいては溜め息を吐く。
「翼君、何か探し物?」
「うん、帽子をね。」
「どんなの?」
「とんがった帽子。」
「とんがった?」
おかしな物を探してるなと思いながらも、天然な翼君の事だから…と私は妙に納得し、翼君と一緒にとんがった帽子を探した。
「やっぱりないね。」
翼君はかなりとんがった帽子を探しているらしく、なかなか気に入るものがみつからないようだった。
でも、なぜそんなものを…??
「ねぇ、翼君。
何か余興でもするの?」
「ううん。
実はね、今週の僕の星座のラッキーアイテムなんだ。
最近、ちょっと調子が悪いから、ラッキーアイテムでも身に付けて運気アップを狙ってみようかと思ってね。」
「ラッキーアイテム……とんがった帽子が?」
とんがった帽子っていうのが、いまひとつイメージが掴めない。
「いらっしゃいませ。
何かお探しですか?」
私達がうろうろしてたら、愛想の良い店員さんが私達に声をかけてきた。
「あ、はい。とんがった帽子が欲しくて…」
「とんがった…どのようなものがよろしいですか?」
「えっと…キャップ型だから……」
「キャップでございますか?」
えっ!?キャップ型って……翼君……まさか…まさか「キャップ」を昔の鉛筆とかペンのキャップだと…!?
だから、とんがった帽子を探してた……?
「では、このようなものはいかがですか?」
店員さんは、ちょっと奇抜な色合いのキャップを持って来た。
「あんまりとんがってないね。
キャップ型だからもっととんがってないと…」
翼君がそういうと、店員さんは一瞬おかしな顔をして、それからくすっと小さく笑った。
「お客様、キャップ型というのはこのようにつばがある帽子のことで、それに対してハットと呼ばれるものはこのようにつばではなく縁がありまして…」
「えっ!キャップって鉛筆のキャップのことじゃなくて、そういうことだったの!?」
「ええ…おそらく……」
「なんだ、そうだったの~
僕達、鉛筆のキャップみたいにとんがったものだと思ってたんですよ。
カナ、そういうことなんだって。
僕達、勘違いしてたみたいだね。」
「はははは…そっかー…」
笑うしかない。
こんな時はとにかく笑うしかない…
私はひたすらひきつった笑みを続けた。
翼君は何かほしい物があるらしく、さっきから店の中をのぞいては溜め息を吐く。
「翼君、何か探し物?」
「うん、帽子をね。」
「どんなの?」
「とんがった帽子。」
「とんがった?」
おかしな物を探してるなと思いながらも、天然な翼君の事だから…と私は妙に納得し、翼君と一緒にとんがった帽子を探した。
「やっぱりないね。」
翼君はかなりとんがった帽子を探しているらしく、なかなか気に入るものがみつからないようだった。
でも、なぜそんなものを…??
「ねぇ、翼君。
何か余興でもするの?」
「ううん。
実はね、今週の僕の星座のラッキーアイテムなんだ。
最近、ちょっと調子が悪いから、ラッキーアイテムでも身に付けて運気アップを狙ってみようかと思ってね。」
「ラッキーアイテム……とんがった帽子が?」
とんがった帽子っていうのが、いまひとつイメージが掴めない。
「いらっしゃいませ。
何かお探しですか?」
私達がうろうろしてたら、愛想の良い店員さんが私達に声をかけてきた。
「あ、はい。とんがった帽子が欲しくて…」
「とんがった…どのようなものがよろしいですか?」
「えっと…キャップ型だから……」
「キャップでございますか?」
えっ!?キャップ型って……翼君……まさか…まさか「キャップ」を昔の鉛筆とかペンのキャップだと…!?
だから、とんがった帽子を探してた……?
「では、このようなものはいかがですか?」
店員さんは、ちょっと奇抜な色合いのキャップを持って来た。
「あんまりとんがってないね。
キャップ型だからもっととんがってないと…」
翼君がそういうと、店員さんは一瞬おかしな顔をして、それからくすっと小さく笑った。
「お客様、キャップ型というのはこのようにつばがある帽子のことで、それに対してハットと呼ばれるものはこのようにつばではなく縁がありまして…」
「えっ!キャップって鉛筆のキャップのことじゃなくて、そういうことだったの!?」
「ええ…おそらく……」
「なんだ、そうだったの~
僕達、鉛筆のキャップみたいにとんがったものだと思ってたんですよ。
カナ、そういうことなんだって。
僕達、勘違いしてたみたいだね。」
「はははは…そっかー…」
笑うしかない。
こんな時はとにかく笑うしかない…
私はひたすらひきつった笑みを続けた。
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