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パスケース(いて座)
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次の日、田村君がついに袴田さんの想い人の写メの撮影に成功し、私達の失望は決定的なものとなった。
そこに映っていたのは、袴田さんと同年代の美青年。
素敵な男性だけど、誰も知らないだけに芸能人ではなさそうだし、男性が定期入れに男性の写真を入れて、しかも一人でこっそり見てるなんてどう考えてもおかしい。
ライバルが男性だったなんてとっても悲しかったけど…でも、袴田さんがその人を好きなら仕方ない…
今でも偏見はあるとは思うけど、それに負けずに恋愛を成就してほしい。
袴田会のメンバーの気持ちは、私と同じような人が多かった。
「急にどうこうっていうのはなんだから、まずは私達がそういうことに偏見がないってことをアピールしましょ!」
「そうね!
そしたら、袴田さんも気が楽になるわよね!」
それからというもの、私達は、袴田さんの前で、BL小説の話をしたり、おねぇキャラを話題にしたりしながら、私達に偏見はないのよ作戦を展開した。
それは、やりすぎなんじゃないかと、ちょっとひやひやするくらいわざとらしい作戦だった。
そんなある日、私はうっかりと携帯を忘れて帰り、あわてて取りに職場に戻ると、そこにはあの袴田さんがいた。
「あれ…どうしたの?」
「は、袴田さん…ちょ…ちょっと携帯を忘れちゃって…
袴田さん、まだいらっしゃったんですか。」
「うん、もう帰る所だけどね。
…って、家に帰ってから気付いたの?」
「……そうなんです。」
「それは大変だったね。
あ、それじゃあ、夕飯もまだだよね?
今から一緒に食べに行かない?」
「え?え?は…はいっ!」
信じられない想いだった。
袴田さんは男性が好きなんだとわかっていても、それでもやっぱり食事に誘ってもらえたのはすごく嬉しかった。
しかも、レストランまでは袴田さんの車に乗せてもらって、私はもうそれだけで天にも上る想いだった。
袴田さんが連れて行ってくれたのは、いかにも袴田さんらしい落ちついた雰囲気のフレンチレストラン。
窓から見える夜景がとっても綺麗。
普段あんまり食べないフレンチだから最初は緊張したけど、お箸まで出してくれるくだけた雰囲気のお店だったから楽しく食べることが出来た。
料理はおいしいのはもちろんのこと、彩りや食器も綺麗で、しかも、大好きな袴田さんと一緒…
私は夢心地で袴田さんとの一時を過ごしていた。
そこに映っていたのは、袴田さんと同年代の美青年。
素敵な男性だけど、誰も知らないだけに芸能人ではなさそうだし、男性が定期入れに男性の写真を入れて、しかも一人でこっそり見てるなんてどう考えてもおかしい。
ライバルが男性だったなんてとっても悲しかったけど…でも、袴田さんがその人を好きなら仕方ない…
今でも偏見はあるとは思うけど、それに負けずに恋愛を成就してほしい。
袴田会のメンバーの気持ちは、私と同じような人が多かった。
「急にどうこうっていうのはなんだから、まずは私達がそういうことに偏見がないってことをアピールしましょ!」
「そうね!
そしたら、袴田さんも気が楽になるわよね!」
それからというもの、私達は、袴田さんの前で、BL小説の話をしたり、おねぇキャラを話題にしたりしながら、私達に偏見はないのよ作戦を展開した。
それは、やりすぎなんじゃないかと、ちょっとひやひやするくらいわざとらしい作戦だった。
そんなある日、私はうっかりと携帯を忘れて帰り、あわてて取りに職場に戻ると、そこにはあの袴田さんがいた。
「あれ…どうしたの?」
「は、袴田さん…ちょ…ちょっと携帯を忘れちゃって…
袴田さん、まだいらっしゃったんですか。」
「うん、もう帰る所だけどね。
…って、家に帰ってから気付いたの?」
「……そうなんです。」
「それは大変だったね。
あ、それじゃあ、夕飯もまだだよね?
今から一緒に食べに行かない?」
「え?え?は…はいっ!」
信じられない想いだった。
袴田さんは男性が好きなんだとわかっていても、それでもやっぱり食事に誘ってもらえたのはすごく嬉しかった。
しかも、レストランまでは袴田さんの車に乗せてもらって、私はもうそれだけで天にも上る想いだった。
袴田さんが連れて行ってくれたのは、いかにも袴田さんらしい落ちついた雰囲気のフレンチレストラン。
窓から見える夜景がとっても綺麗。
普段あんまり食べないフレンチだから最初は緊張したけど、お箸まで出してくれるくだけた雰囲気のお店だったから楽しく食べることが出来た。
料理はおいしいのはもちろんのこと、彩りや食器も綺麗で、しかも、大好きな袴田さんと一緒…
私は夢心地で袴田さんとの一時を過ごしていた。
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