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パソコン(おとめ座)

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パソコンを開き、メールソフトを立ち上げる。
これが、私の帰宅後最初の作業。



(来てる、来てる)



メールの受信を確認すると、私は服を部屋儀に着替え、ちょっとした雑用を済ませて、再び、パソコンの前に座った。



「そろそろそっちも涼しくなって来た頃かな?
こういう時期は風邪ひきやすいから注意してよ。
じゃ、また後で…待ってるね!」


たったこれだけの短いメールでも彼と繋がってることが感じられ、私は大きな安心感を覚える。



「こっちはこのごろ急に寒くなったよ。
だから、会社でも風邪ひいてる人が増えて来てる。
私は今の所大丈夫だけどね。
じゃあ、いつもの時間にね!」



(さてと…ごはんでも作るかな…)

メールの返信を終えた私は、ちょっと良い気分で台所へ向かった。







「そっか~…
それは、酷いね。
麻衣が怒るの無理ないよ。
でも、そんなの気にしちゃだめだよ。
そんな奴、気にする必要もない奴なんだから。」

「……うん、わかった。
いつもつまんない愚痴ばっかり言ってごめんね。」

「ばーか。
俺は、今、離れた場所にいるけど、こうして麻衣のこと聞かせてもらえるだけで嬉しいんだよ。
それが愚痴だって、全然構わない。」



知史は本当に優しい。
会社の愚痴でもなんでもいやがらずに聞いてくれる。
知史のいる所は、こことは4時間の時差があるからもう真夜中なのに、いつも起きててスカイプの相手をしてくれる。
仕事に差し障りが出たらいけないと気にはなるんだけど、知史はそんなこと気にすることないって、いつも私が満足する程度に話してくれる。



「じゃ…また明日ね。
愛してるよ、麻衣。」

「知史…私もよ、おやすみなさい。」
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