１ページ劇場④

最悪で最高

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（もしかして、罰があたったのかなぁ？）

 狭い病室の窓から、私は青い空を見上げた。



 ＊＊＊



 私は数日前のことを思い出していた。
 運動会が近付くにつれて、私の気持ちは暗く沈んだ。
 人並外れた運動音痴の私にとって、運動会は地獄以外の何者でもなかった。
 小学校に入ってから、運動会で笑われ続けてもう５年。



もういやだ！運動会なんて中止になれば良いんだ！
 私は、てるてる坊主をさかさまにして吊った。
あめあめ坊主ってやつだ。
だけど、このおまじないが絶対に効くとは思えない。



 （そうだ！）



 校長先生が死んじゃったら中止になるんじゃないかな？
そんなことを考えて、藁人形を作ることにした。
だけど、藁がみつからない。
 仕方がないので、雑草を代用して、草人形を作った。
 草人形ではどうも効果は薄そうだったけど、一応、やっておいた。



 運動会の前夜、テレビの天気予報では明日は快晴だと言っていた。
あめあめ坊主の馬鹿！
あとは、草人形の効果に賭けるしかない。



 「えーーー…またきのこごはん？」

 「仕方ないじゃない。たくさん作り過ぎたんだから。
 食べきらなきゃもったいないでしょ。」

きのこごはんはもう三日目だ。
 運動会のことで相当気分が良くないのに、さらに、食べ飽きたきのこごはんでテンション下がる。
なんか美味しくない。
でも、文句を言ったらお母さんが怒りそうだから我慢する。



そして、その晩…私は、お腹が痛くて目が覚めた。
 私はそのまま救急車で病院に運ばれた。
どうやら、きのこごはんが悪かったみたいだ。
 両親やお兄ちゃんもお腹を壊したみたいだけど、なぜだか私が一番重傷だった。



 ＊



 今日はとっても良いお天気で、多分、校長先生も死んでないと思うから、運動会はあったと思う。
なのに、運動会に出なくて済んだなんて最高だ！



ただ、お腹が痛いのと気分が悪いのは、ちょっと辛いけど…