19 / 21
イミテーション・ハネムーン
19
しおりを挟む
「圭吾さん…?」
圭吾さんは、手に持った空のグラスをじっとみつめ、ぽつりと呟いた。
「紗季…ハネムーンから帰ったらどうするの?」
「え…?ど、どうするって……」
思いがけないことを訊かれて、私はすっかり返答に困ってしまった。
どう答えれば良いのか、圭吾さんはどんな答えを期待してるのか、まるでわからなかった。
「ねぇ…どうするの?」
圭吾さんの目が私を射抜くようだった。
重ねての問いかけに、私は困り果て、ただ曖昧に笑った。
「……まさか、変なこと考えてないよね?」
咎めるような鋭い視線…
その時、私は悟った…圭吾さんは私がやろうとしていることに気が付いてるんだって。
「圭吾さん、えらく真剣な顔してどうしたの?」
笑いながら、私は質問をはぐらかした。
「紗季…真面目に答えて。」
そんなこと言われても、本当のことなんて言えるはずがない。
「……私が何をしようと関係ないでしょ?
私とあなたはどうせ偽物の夫婦なんだから…」
キレた…自分でも呆れるようなことを私は口にしていた。
圭吾さんは、手に持った空のグラスをじっとみつめ、ぽつりと呟いた。
「紗季…ハネムーンから帰ったらどうするの?」
「え…?ど、どうするって……」
思いがけないことを訊かれて、私はすっかり返答に困ってしまった。
どう答えれば良いのか、圭吾さんはどんな答えを期待してるのか、まるでわからなかった。
「ねぇ…どうするの?」
圭吾さんの目が私を射抜くようだった。
重ねての問いかけに、私は困り果て、ただ曖昧に笑った。
「……まさか、変なこと考えてないよね?」
咎めるような鋭い視線…
その時、私は悟った…圭吾さんは私がやろうとしていることに気が付いてるんだって。
「圭吾さん、えらく真剣な顔してどうしたの?」
笑いながら、私は質問をはぐらかした。
「紗季…真面目に答えて。」
そんなこと言われても、本当のことなんて言えるはずがない。
「……私が何をしようと関係ないでしょ?
私とあなたはどうせ偽物の夫婦なんだから…」
キレた…自分でも呆れるようなことを私は口にしていた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
幼馴染が好きなら幼馴染だけ愛せば?
新野乃花(大舟)
恋愛
フーレン伯爵はエレナとの婚約関係を結んでいながら、仕事だと言って屋敷をあけ、その度に自身の幼馴染であるレベッカとの関係を深めていた。その関係は次第に熱いものとなっていき、ついにフーレン伯爵はエレナに婚約破棄を告げてしまう。しかしその言葉こそ、伯爵が奈落の底に転落していく最初の第一歩となるのであった。
公爵令嬢は逃げ出すことにした【完結済】
佐原香奈
恋愛
公爵家の跡取りとして厳しい教育を受けるエリー。
異母妹のアリーはエリーとは逆に甘やかされて育てられていた。
幼い頃からの婚約者であるヘンリーはアリーに惚れている。
その事実を1番隣でいつも見ていた。
一度目の人生と同じ光景をまた繰り返す。
25歳の冬、たった1人で終わらせた人生の繰り返しに嫌気がさし、エリーは逃げ出すことにした。
これからもずっと続く苦痛を知っているのに、耐えることはできなかった。
何も持たず公爵家の門をくぐるエリーが向かった先にいたのは…
完結済ですが、気が向いた時に話を追加しています。
今日は私の結婚式
豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。
彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。
甘やかされて育ってきた妹に、王妃なんて務まる訳がないではありませんか。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラフェリアは、実家との折り合いが悪く、王城でメイドとして働いていた。
そんな彼女は優秀な働きが認められて、第一王子と婚約することになった。
しかしその婚約は、すぐに破談となる。
ラフェリアの妹であるメレティアが、王子を懐柔したのだ。
メレティアは次期王妃となることを喜び、ラフェリアの不幸を嘲笑っていた。
ただ、ラフェリアはわかっていた。甘やかされて育ってきたわがまま妹に、王妃という責任ある役目は務まらないということを。
その兆候は、すぐに表れた。以前にも増して横暴な振る舞いをするようになったメレティアは、様々な者達から反感を買っていたのだ。
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる