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本編

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彼との旅が始まった。
サーシャのことはもちろん気になるが、不思議なことにどこか心の余裕のようなものが出てきていた。
ドロワまで行けば、なんとかなるのではないかと甘いことを僕は予想していた。
ドロワまではそう遠い距離ではない。
それでも早く行くべきなのかもしれないが、ロジャーを乗り合い馬車に乗せるのははばかられた。
もしも、猫嫌いな人がいたら、問題が起きるかもしれない。
歩いて行っても、違いはせいぜい三日だ。
それなら、トラブルを避け、歩いて行った方が良いように思えた。



たった数日のことなのに、ロジャーとの旅は楽しかった。
彼が僕のことをどう思ってるのかはわからないが、地元に戻ったら、うちに来てもらおうと思っている。
うちには今は動物は居ないが、反対はされないと思う。
両親は、動物が嫌いでは無いことはわかっている。
現に昔は犬がいた。
ただ、その犬が死んでしまった時に、もうこんなに辛い気持ちになるのは嫌だと言って、それ以来、動物を飼わなくなったんだ。
ロジャーは猫だし、死んだ犬を思い出すこともないだろう。
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