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遊園地 side 美穂
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「ねぇねぇ…観覧車は二人ずつ乗る?
それとも、四人で?」
相川さんがそんなことを言って、ちらっと私の方を見た。
「四人で来たんだし、四人が良いよね!
並んでる人も多いから、二人ずつ乗ったら申し訳ないよ。
ゴンドラも大きいんだし、四人で良いんじゃない?」
二人っきりで乗るのがいやだったせいか、私は思わずそう言っていた。
「ね、それじゃあ、今は四人で乗って、暗くなってから二人ずつで乗るっていうのはどう?」
「あ、それ良いね!」
あゆ…何、余計なこと言うかな…
暗くなったら、出来るだけ観覧車から離れて、違うアトラクションに誘おう。
そんなことを思いながら、他愛ない話を続けてるうちに、私達の順番が近付いて来た。
「観覧車から、いっぱい画像撮ろうっと!」
あゆがそう言いながら、バッグをごそごそして…
「あれっ?」
「あゆ…どうかしたの?」
あゆは、バッグの中を掻きまわす。
「……ない……スマホがない!」
「スマホが?大変じゃん!
あ、さっきのレストランじゃないか?
俺、行って来るよ!」
相川さんが、列を離れて走り出した。
「待って!私も行く!」
「あ、あゆ…でも、順番が…」
「二人で乗ってて!」
「えっ!?」
それとも、四人で?」
相川さんがそんなことを言って、ちらっと私の方を見た。
「四人で来たんだし、四人が良いよね!
並んでる人も多いから、二人ずつ乗ったら申し訳ないよ。
ゴンドラも大きいんだし、四人で良いんじゃない?」
二人っきりで乗るのがいやだったせいか、私は思わずそう言っていた。
「ね、それじゃあ、今は四人で乗って、暗くなってから二人ずつで乗るっていうのはどう?」
「あ、それ良いね!」
あゆ…何、余計なこと言うかな…
暗くなったら、出来るだけ観覧車から離れて、違うアトラクションに誘おう。
そんなことを思いながら、他愛ない話を続けてるうちに、私達の順番が近付いて来た。
「観覧車から、いっぱい画像撮ろうっと!」
あゆがそう言いながら、バッグをごそごそして…
「あれっ?」
「あゆ…どうかしたの?」
あゆは、バッグの中を掻きまわす。
「……ない……スマホがない!」
「スマホが?大変じゃん!
あ、さっきのレストランじゃないか?
俺、行って来るよ!」
相川さんが、列を離れて走り出した。
「待って!私も行く!」
「あ、あゆ…でも、順番が…」
「二人で乗ってて!」
「えっ!?」
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