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席替え side 雪彦

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なにもつまらないと言ってるわけじゃない。
 僕だって、ごく普通の三十路男だし、可愛い女の子達とこうやって話せるのは嬉しいと言えば嬉しい。
でも…なんていったら良いんだろう?
 今までの彼女たちに初めて会った時のような、激しい『萌え』はない。



そういえば、誰かに言われたことがあったっけ。
 僕の歴代の彼女には、共通点がないって。



そうなんだ。
 僕は特に面食いってわけじゃない。
こういう人が好き!っていう、容姿に対するこだわりが全くないんだ。
だから、今までの彼女の見た目にはまるで共通点がない。



 (やっぱり、僕って変なのかな??)



 「そろそろ、席替えしない?」

 「いいね!しよっ!」



 相川の提案で席替えが始まった。
 皆、椅子から立ち上がる。



 「私、島本さんの隣にしようっと!」

そう言って僕の隣に来たのは、明るい髪色の女の子だった。



 「島本さん、私の名前覚えてます?」

 「え?えっと…」

 誰だっけ…えーっと…



(あ…)



 「小野田あゆみさん?」

 「わぁ、覚えててくれたんだぁ、嬉しい!」

うん、確かに可愛い。
こんな可愛い子に笑顔を見せられたら、さすがになんだか良い気持ちになって来る。



 話してる間にも席替えはどんどん進んで、気が付くと、みんなが男女の順でそれぞれの席に着いていた。

 
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