若旦那の恋は千鳥足

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部屋に入ると、柚希さんは、どこかに電話をかけていた。
どうやら、鍵を取り替えるみたい。
きっと、麗華さんに合鍵を渡してたんだね。



「さっきはすまなかったね。」

「え、いえ……」

「心配しなくて良いからね。
ちゃんと別れるから。」

「は、はい。」

って、そういうしかないよね。
でも、本当に大丈夫なのかなぁ？
麗華さん、本気で柚希さんのこと好きみたいだけど、諦めてくれるのかな？



「あ、あの……あの人も眼科医さんなんですか？」

ふと気になったことを私は口にしていた。



「いや、彼女は外科医だよ。
大阪で大きな病院を開かれてるらしいけど、彼女は勉強のため、ひとりでこっちに来てるんだ。」

外科医…なんか、すごいね。
しかも、実家が大きな病院だなんて、頭の出来も見た目も実家も完敗だ。
麗華さんに笑われたのも納得だよ。
っていうか、柚希さん…確かにおかしいよ。
あんな素敵な麗華さんを捨てて、私を選ぶ理由は何？



「あ、あの…なんで、私なんかと…
どう考えても、麗華さんの方が…」

「確かにそうかもしれないね。
でも、僕は君と結婚するって決めたんだ。」

それは嬉しいけど、でも、気になるのは、どうして私？ってことだよね。
どう考えても意味がわからない。
でも、それが運命の出会いだからってこと？？