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ルカ(聖夜月ルカ)

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068 : 下町の華

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「良かったな、クロワさん!
あ、爺さん、ついでに俺達に出来そうな仕事はないか?」

「あんたらは、薬のことがわかるのか?」

「いや…わからないな…」

「じゃあ、うちでは雇えんな…
他を…
…おぉ、そうじゃ!
ちょうど働き手を探してる所があるぞ。
紹介してやろう!」

困ったことに、突如として私達の働き口が決まろうとしていた。



クロワは、薬屋の一室に住みこむことになり、私達は、少し離れた青果店に連れて行かれた。



「やぁ、アルバンさん、どうしたんです?」

「ドニスさん、この前やめた者の代わりはもうみつかりましたかな?」

「いや、それがまだなんです。
最近の若い奴は根性がないっていうか、なんていうか…
きつい仕事はやりたがらねぇ…」

「そうでしたか。
実は、この人達が働き口を探してるそうなんで、連れて来てみたんですよ。
じゃあ、あとはあんたらで話し合って決めるんだな。
では、ドニスさん、わしはこれで…」

薬屋のアルバンは私達を残し、さっさと帰ってしまった。



「そうか、仕事をな。
あんたら、農作業はしたことあるか?」

「本格的なのはないが、最近まで果樹園で働いてたから出来ない事はないと思うぜ。」

「そうか、なら、働いてもらおうか。
ただし、仕事はきついぜ。」

「あぁ、構わない。
ところで、住むとこと給金のことだが…」

リュックは、勝手にここで働く事を決め、ドニスと細かい所を話し合っている。
私はそんな二人の様子を黙ってみているだけだった。



「よし、これで決まりだ!」

ドニスとリュックの間で、堅い握手が交わされた。



「じゃあ、これから作業場とあんたらの暮らす小屋へ案内するよ。」







「こりゃあ、ひでぇな。」

小一時間程歩いた所にある小屋を見たリュックは思わず落胆の声を漏らした。



「だから、さっき言っただろ。
汚い所だって。
でも、まぁ、これでもないよりはマシだ。
我慢してくれ。」

そう言ってドニスは大きな口を開けて笑っている。 
 
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