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ルカ(聖夜月ルカ)

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047 : 佳人

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「じゃあ、私も今日はここでゆっくりしてます。」

「なんじゃ、なんじゃ、ええ若いもんが…
クロワさん、こんな奴らは放っておいて出かけるとしよう!」

そう言って、ジョセフとクロワは外へ出て行った。



「まったく元気な爺さんだな…」

「本当にたいしたもんだ。
……ところで、リュック、夢のことがまだ気になっているのか?
それとも、体調が良くないのか?」

「お蔭様で体調の方はなんともない。」

「そうか…なら、良いんだが…」

「そうだな…そろそろ、小人達の森に行く時期だからな…
……けど、そんなこと考えたってどうにもなりゃしない。
俺はもう十分に生きた…人の何倍も生きた…
だから、なにかが起こったとしても…もう良いんだ…」

「リュック…」



こんなに短い間に、リュックの心境が変わっていたことに私は驚きを隠せなかった。
あれほど死を恐れていた彼が、これほどまでに現実を受けいれられるようになったのか…



「なんだよ、そんな顔して…
死ぬのが怖いって泣き叫ぶと思ったのか?」

「いや…そういうわけではないが…」

「俺…気付いたんだ…
今まで怖かったのが何だったのか…」

「……何だったんだ?」

「それは……一人ぼっちだってことさ。
俺は、すっと一人ぼっちだった。
俺の身に何かがあるとしても、俺はそれを一人で受け止めなきゃならなかった…
でも、今は違う。
あんたがいてくれる。
クロワさんがいてくれる…
だから、俺はもう怖くないんだ…」

そう言って、リュックはにっこりと微笑んだ。



「リュック…!」

「お、おい、こら!
やめろよ!そんなことしたらおかしな趣味があると疑われるぞ!
俺は男になんて興味ないからな!
それに、俺はあんたよりずっと年上なんだぞ!
こ、こら、離せ!!」

悪態を吐きながら、手足をじたばたさせるリュックを私は抱き締めていた。
自分でも不思議なほどに、私はこの青年のことが愛しく感じられたのだ。



「君となら誤解されても私は構わないぞ。」

「馬鹿野郎!あんたは良くてもこっちが困るっていうんだよ!
俺はこれから良い女をみつけるつもりなんだからな!」



私の腕をふりほどき、ぷいと背中を向けたリュックが呟いた。

「ありがとう、マルタン…」
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