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044 : 隠れ里
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「なにが不便なもんか。
ここにゃあ、水もあれば、食べる物も豊富にある。
それに、この先では石炭も採れるんじゃ。
とはいってもくずばっかりじゃが、それでも町に行く時持って行けば、その日の飲み代くらいにはなるからな。」
「へぇ、そうなんだ。
けっこう良い所なんだな。」
「ここに酒場さえありゃあ言うことなしなんじゃがな。
それで、あんたらの聞きたい話っていうのは何なんじゃ?」
「あ、それなんだが…」
リュックは、海底神殿のことをジョセフに話し始めた。
本当によくしゃべる二人だ。
私も、クロワも口をはさむ隙がない。
ただ黙って二人の話を聞くだけだった。
「海底神殿の話か…それなら聞いたことがある。」
「えっ!!本当か?!」
ジョセフの言葉に、リュック以上に驚いたのはこの私の方だった。
あの話は、てっきりジルベールの作り話だと思いこんでいたのだから…
「だが、海底を探すって言うのは、陸以上に困難だ。
その上、わしは、情けない事に金槌でな。
だから、あまり詳しいことは知らんのじゃ。」
「そうか…そいつは残念だな…」
「ジョセフさん、本当に海底神殿の噂を聞かれたことがあるんですか?」
「あぁ、あるよ、もうずいぶん昔の話だがな。
なんでもその神殿にあった女神像を持ってるとかいう男がいてな。」
私は彼の「女神像」という言葉を聞いて背筋が寒くなるのを感じた。
ジルベールの言っていた話に符合する…
「そ、それで…その男の行方はご存知ないですか?」
「あぁ、残念ながらそれは知らないな。
あれは、どこでだったか……確か、南の方を旅してる時じゃなかったか…」
「南!やっぱりそうか!
マルタン、ジルベールさんも確か南の海だって言ってたな!」
「…あ…あぁ…」
「そうか~!
まぁ、目新しい話じゃなかったが、やっぱりジルベールの言ってたことは間違いないってことだよな。」
「あんたら、海底神殿を探してるのか。
やめとけよ。海底の物を探すのは金がかかるぞ!」
「そうじゃないんだ…実はな…」
リュックは、今までのいきさつについてジョセフに話し始めた。
ここにゃあ、水もあれば、食べる物も豊富にある。
それに、この先では石炭も採れるんじゃ。
とはいってもくずばっかりじゃが、それでも町に行く時持って行けば、その日の飲み代くらいにはなるからな。」
「へぇ、そうなんだ。
けっこう良い所なんだな。」
「ここに酒場さえありゃあ言うことなしなんじゃがな。
それで、あんたらの聞きたい話っていうのは何なんじゃ?」
「あ、それなんだが…」
リュックは、海底神殿のことをジョセフに話し始めた。
本当によくしゃべる二人だ。
私も、クロワも口をはさむ隙がない。
ただ黙って二人の話を聞くだけだった。
「海底神殿の話か…それなら聞いたことがある。」
「えっ!!本当か?!」
ジョセフの言葉に、リュック以上に驚いたのはこの私の方だった。
あの話は、てっきりジルベールの作り話だと思いこんでいたのだから…
「だが、海底を探すって言うのは、陸以上に困難だ。
その上、わしは、情けない事に金槌でな。
だから、あまり詳しいことは知らんのじゃ。」
「そうか…そいつは残念だな…」
「ジョセフさん、本当に海底神殿の噂を聞かれたことがあるんですか?」
「あぁ、あるよ、もうずいぶん昔の話だがな。
なんでもその神殿にあった女神像を持ってるとかいう男がいてな。」
私は彼の「女神像」という言葉を聞いて背筋が寒くなるのを感じた。
ジルベールの言っていた話に符合する…
「そ、それで…その男の行方はご存知ないですか?」
「あぁ、残念ながらそれは知らないな。
あれは、どこでだったか……確か、南の方を旅してる時じゃなかったか…」
「南!やっぱりそうか!
マルタン、ジルベールさんも確か南の海だって言ってたな!」
「…あ…あぁ…」
「そうか~!
まぁ、目新しい話じゃなかったが、やっぱりジルベールの言ってたことは間違いないってことだよな。」
「あんたら、海底神殿を探してるのか。
やめとけよ。海底の物を探すのは金がかかるぞ!」
「そうじゃないんだ…実はな…」
リュックは、今までのいきさつについてジョセフに話し始めた。
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