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ルカ(聖夜月ルカ)

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022 : 来客

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 「心配かけてすみませんでした。」

三人が帰ってきたのは夜が明けてからのことだった。



「うわっ!お酒臭い!それに煙草の臭いもひどいわ!」

「そんなにひどいか?仕事に行く前に一っ風呂、浴びていかなきゃいかんな。」

ゴーチェは、そう言って豪快に笑った。



「クロワさん、昨夜は何があったんですか?」

「私達、昨夜は心配で眠れなかったのよ。」

「ごめんなさいね。
実は、ジョルジュさんの所に行ったらイシドールが来てて…その時にはもうかなり酔っぱらってたわ。
そして、結局、朝まで……」

「まぁ!…イシドールはお酒が好きなの?
うちでは全然飲まなかったけど…」

「いいえ…
イシドールは昨夜初めてお酒を飲んだと言ってたわ。」

「急にそんなに飲むとは…
何かあったんでしょうか?」

「ええ…そう思います。
ゴーチェさんは多分理由を知ってらっしゃると思うんですが…
きっと、昨日、職場でなにかがあったんだわ。」

 「誰かに背中の痣を見られたとか、イシドールの家のことを知ってる人がいたとか…?」

「…そうね…そうかもしれないわね。
でも、とりあえず、イシドールが話してくれるのを待ちましょう…」

ゴーチェとイシドールが仕事場にでかけた後、私達はまた日課の散歩に出た。







「マルタンさん、今日は港の方に行ってみたいわ。
父さん達がどんな所で働いてるか見てみたいの。」

「そうか、まだ行ったことがなかったんだな。
じゃ、そうしよう!」

「では、私はその間に買い物に行って来ます。」

クロワは買い物に、そして私はマリアンヌを背負い、港の方を歩いていた。



「おいおい、見てみなよ!
真っ昼間っからいちゃついてる奴らがいるぜ!」

「お二人さん、お熱いね~!!」

男達は口笛を吹いて私達をはやしたてた。



「マルタンさん!
私達、恋人同士に見えてるみたいよ。」

「光栄だね!
君みたいな美人とそんな風に思われるなんて…」

「あの人達にもっと見せ付けてやらなきゃ!」

マリタンヌはそう言うと、私の頬にキスをした。

 男達の歓声があがる。



「おいおい、調子に乗りすぎだぞ!」

「本当に単純な人達ね!」

「皆、私のことをうらやましがってるんだよ。
君がとても魅力的だから…」

「……そして、私の足のことを知ったら、離れていくのよね…」
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