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新たな旅へ
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「オニガワラさんは今日も戻らないのか?」
あれから一週間近い日々が流れていた。
「はい、なにやら、お友達とご一緒だとかで…」
「そうか、まぁ良い。
好きなようにさせてやろう。」
その時、いつもにも増してどすどすという大きな地響きが聞こえたかと思うと、部屋の扉が乱暴に開け放たれた。
「おぉ、オニガワラさん…ん?
オ、オニガワラさんが二人!!」
「お、王様!
こ、これは、ドッペルゲンガーというものでは…!!」
「王様、ルーファスさん、落ちついて下さい。
こちらは南の島のドンガラガッタ王国の第一王子・サイカバ様です。」
「……サイでカバ?」
「……サイカバです…」
「実は…あの…私達…」
オニガワラはこれまでのいきさつを話して聞かせた。
「えええええーーーーーーっっ!!」
「えええええーーーーーーっっ!!」
ルーファスと国王の驚きの声が見事にハモった。
「これが鑑定結果です。
シーサーは99.9%の確率で、私とサイカバの子と鑑定されました。」
「えええええーーーーーーっっ!!」
「えええええーーーーーーっっ!!」
再び、ルーファスと国王のハーモニーが決まった。
「それで…私、これからサイカバと一緒にドンガラガッタ王国に行こうと思います。
短い間でしたがお世話になりました。
あ、それから、これ…」
オニガワラが差し出したものは慰謝料の請求書だった。
(なんで、慰謝料なんか払わにゃならんのだ!
しかもこんな高額…
騙されたのはミカエルの方ではないか!)
国王はルーファスに怒りを耳打ちした。
(しかし、国王、これであのオニガワラさんと縁が切れると思えば安いもんではないですか。
これから先のお二人の食費のことをお考え下さい。)
(……そういわれればその通りだな。
よし、わかった。
では、すぐに用意して渡してくれ!
領収書を忘れずにな…!)
(かしこまりました!)
すぐに金が用意され、それを受け取ると、サイカバとオニガワラ親子はドンガラガッタ王国を目指して旅立った。
「オニガワラさんは今日も戻らないのか?」
あれから一週間近い日々が流れていた。
「はい、なにやら、お友達とご一緒だとかで…」
「そうか、まぁ良い。
好きなようにさせてやろう。」
その時、いつもにも増してどすどすという大きな地響きが聞こえたかと思うと、部屋の扉が乱暴に開け放たれた。
「おぉ、オニガワラさん…ん?
オ、オニガワラさんが二人!!」
「お、王様!
こ、これは、ドッペルゲンガーというものでは…!!」
「王様、ルーファスさん、落ちついて下さい。
こちらは南の島のドンガラガッタ王国の第一王子・サイカバ様です。」
「……サイでカバ?」
「……サイカバです…」
「実は…あの…私達…」
オニガワラはこれまでのいきさつを話して聞かせた。
「えええええーーーーーーっっ!!」
「えええええーーーーーーっっ!!」
ルーファスと国王の驚きの声が見事にハモった。
「これが鑑定結果です。
シーサーは99.9%の確率で、私とサイカバの子と鑑定されました。」
「えええええーーーーーーっっ!!」
「えええええーーーーーーっっ!!」
再び、ルーファスと国王のハーモニーが決まった。
「それで…私、これからサイカバと一緒にドンガラガッタ王国に行こうと思います。
短い間でしたがお世話になりました。
あ、それから、これ…」
オニガワラが差し出したものは慰謝料の請求書だった。
(なんで、慰謝料なんか払わにゃならんのだ!
しかもこんな高額…
騙されたのはミカエルの方ではないか!)
国王はルーファスに怒りを耳打ちした。
(しかし、国王、これであのオニガワラさんと縁が切れると思えば安いもんではないですか。
これから先のお二人の食費のことをお考え下さい。)
(……そういわれればその通りだな。
よし、わかった。
では、すぐに用意して渡してくれ!
領収書を忘れずにな…!)
(かしこまりました!)
すぐに金が用意され、それを受け取ると、サイカバとオニガワラ親子はドンガラガッタ王国を目指して旅立った。
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