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ルカ(聖夜月ルカ)

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07 知らない場所の生活

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「キャリーさん、僕、ちょっと弟さんのことを調べて来ます!」

 「いや、そんなにあわてなくても…」

 「いえ、こういうことは早い方が良いですから。」

そう言うと、ウィンクルは部屋を出て行った。



 『ギャブリエ様、よろしいのですか?
あんな得体の知れない男と旅の仲間になられて…
しかも、あの者はたいした能力も持ってはいないようですが…』

 「良いではないか。
 重い荷物を持たずにすむだけでも助かる。
それに、魔法の腕はたいしたことなさそうだが、けっこう役には立ちそうだぞ。
あ、そうそう、さっきの言葉遣いは完璧だっただろう?
 私は飲みこみが早いからな。
それに名前も即座に決めたぞ!」

 『まぁ、確かに、この前よりは良くなってました。
 今のギャブリエ様は女性なのですから、物腰もやわらかにお願いしたしますよ。
それと、先ほどの男…
どんな男かまだわからないのですから、くれぐれも気は抜かれませぬように…
女性に対しては急に牙をむく男も多いですから、そういう面でもご用心下さい。』

 「馬鹿馬鹿しい。
あんな小男、素手でも交わしてみせるわ!」

 『そういう油断がいけないのです!』

 「大丈夫だ!
おまえは本当に心配症な石ころだな…」




 「キャリーさん!!」



 突然、扉が開き、ウィンクルが部屋にかけ込んで来た。



 「どうした?…じゃない。
どうしたのですか?」

 「弟さんの手掛かりがみつかりました!
 弟さんは数日前にここに泊まっていたようです!」

 「なんですって!
それで弟はどこへ?」

 「それはわかってはいないのですが、なんでも弟さんは、疫病神のファビアンと一緒だそうです。」

 「疫病神のファビアン?」

 「ご存知ありませんか?
 私も会ったことはないのですが、聞いた所によると剣の腕も魔法の腕もたいしたものですが、とにかくものすごく運の悪い男だそうです。」

 「な、なぜ弟がそんな男と…?」

 「それもわかりませんが、弟さんは、ファビアンに気を遣ってるようだったそうです。
それから、弟さんがここに泊まった時、この宿に強盗が入ったらしいのですが、それを弟さんとファビアンが捕まえたそうです。」

 「そんなことが…」

 「とにかく、明日、早速、出発しましょう!
 体調の方は大丈夫ですか?」

 「え…ええ、それなら大丈夫です。」



 次の朝、二人はディディエの足取りを追って町を旅立った。
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