87 / 115
050.星屑の欠片
2
しおりを挟む
「変わった奴だな…」
(僕はずっとここにいるからね。)
「どういうことなんだ?
それが、何か関係あるのか?」
(ジョゼットに聞かなかった?
ここは星屑の丘、昔はここで天の星々に願いをかければその願いは叶えられるってことで、ここを訪ねて来る人もけっこういたんだけどね。
でも、ここは、ほら、こんなに寒いし…ここまで来るのはけっこう大変だろ?
だから、いつの間にかあんまり来る人もいなくなったんだ。)
「あぁ…本当に酷い所だな。
俺もここに来る途中、あやうく谷に落っこちそうになったよ。
人が来なくなるのももっともだな。
そんなくだらない伝説を信じて、命を落としちゃ元も子もないからな。」
(伝説じゃないよ。
ここには、気の遠くなる程の昔からたくさんの星屑の欠片が毎晩降り注いでるんだ。
星には不思議な力が宿ってることは知ってるよね?
ここに降ってくる欠片は、そりゃあ小さなものだけど、小さくても長い間ずっと降り積もってるからここは特別な場所なんだ。)
「星屑の欠片…ねぇ…」
(ケヴィン、見てごらん!
君にならきっと見えるよ。
ジョゼットが信じてた星の欠片は今もずっと降って来てるんだ。
それを信じて、見てごらんよ。)
ケヴィンは、目を凝らし空を見上げた。
張り詰めたような冷たい空気の中、手を伸ばせば届きそうに思える星の煌き…
そして…
「あ……」
ケヴィンの目に、キラキラと光るものが降り注ぐのが映った。
それは錯覚かと思うほど小さな…雪の結晶よりも小さなもので…
「まさか…このキラキラしてるのが、星屑の欠片なのか…?」
(そうだよ!
やっぱり、君には見えたんだね…!)
雪だるまの声は明るく弾んでいた。
「じゃ…じゃあ、あの時、ジョゼットが…いや、せめて俺がここに来ていたら…
ジョゼットは…」
(それは……)
「どっちなんだよ!
ここに来てたら、ジョゼットは助かってたのか?!
どうなんだ!はっきり答えろよ!」
ケヴィンは、雪だるまにしがみつくように問い詰めた。
(……それは僕にはわからない…)
「なんだよ!いいかげんな奴だな!
だったら、ただの伝説じゃないなんて言えないじゃないか…!」
ケヴィンは雪だるまから身体を離し、前に向き直った。
(僕はずっとここにいるからね。)
「どういうことなんだ?
それが、何か関係あるのか?」
(ジョゼットに聞かなかった?
ここは星屑の丘、昔はここで天の星々に願いをかければその願いは叶えられるってことで、ここを訪ねて来る人もけっこういたんだけどね。
でも、ここは、ほら、こんなに寒いし…ここまで来るのはけっこう大変だろ?
だから、いつの間にかあんまり来る人もいなくなったんだ。)
「あぁ…本当に酷い所だな。
俺もここに来る途中、あやうく谷に落っこちそうになったよ。
人が来なくなるのももっともだな。
そんなくだらない伝説を信じて、命を落としちゃ元も子もないからな。」
(伝説じゃないよ。
ここには、気の遠くなる程の昔からたくさんの星屑の欠片が毎晩降り注いでるんだ。
星には不思議な力が宿ってることは知ってるよね?
ここに降ってくる欠片は、そりゃあ小さなものだけど、小さくても長い間ずっと降り積もってるからここは特別な場所なんだ。)
「星屑の欠片…ねぇ…」
(ケヴィン、見てごらん!
君にならきっと見えるよ。
ジョゼットが信じてた星の欠片は今もずっと降って来てるんだ。
それを信じて、見てごらんよ。)
ケヴィンは、目を凝らし空を見上げた。
張り詰めたような冷たい空気の中、手を伸ばせば届きそうに思える星の煌き…
そして…
「あ……」
ケヴィンの目に、キラキラと光るものが降り注ぐのが映った。
それは錯覚かと思うほど小さな…雪の結晶よりも小さなもので…
「まさか…このキラキラしてるのが、星屑の欠片なのか…?」
(そうだよ!
やっぱり、君には見えたんだね…!)
雪だるまの声は明るく弾んでいた。
「じゃ…じゃあ、あの時、ジョゼットが…いや、せめて俺がここに来ていたら…
ジョゼットは…」
(それは……)
「どっちなんだよ!
ここに来てたら、ジョゼットは助かってたのか?!
どうなんだ!はっきり答えろよ!」
ケヴィンは、雪だるまにしがみつくように問い詰めた。
(……それは僕にはわからない…)
「なんだよ!いいかげんな奴だな!
だったら、ただの伝説じゃないなんて言えないじゃないか…!」
ケヴィンは雪だるまから身体を離し、前に向き直った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
Gift
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
リクエストやら記念に書いたSS集です。
すべて、数ページ程の短編ですが、続き物になっているお話もあります。
私や他のクリエイター様のオリキャラを使ったものや、私のお話の番外編もあります。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
1ページのあいうえお
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
1ページの中にいろんなものを詰め込んで…
あいうえお順のお題で書く短編集です。
基本1ページですが、たまにオーバーします。
主にリクエストで書かせていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる