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026.雪の花
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ラリーは、あたりを念入りに注意しながら一歩一歩踏みしめるように歩いていく。
しかし、結局、何もみつけられないまま、頂上に出てしまった。
(やっぱり何もなかったな。
ま、良いさ。
今日は久し振りに良い汗をかいた。
そうだ…このあたりにちょっと見栄えの良い…色は、やっぱり白だな。
うん、そういう花があれば、それを摘んで帰ってやろう。
これが雪の花だ!…なぁ~んて言ったら、皆、驚くだろうな!)
ラリーは、子供っぽい悪戯を思いつき、白い花を探してそこらを歩き回る。
ところが、あたりには白いものはおろか、花そのものがどこにも咲いてはいなかった。
(畜生…ないな。
仕方ない…そろそろ陽も落ちて来る頃だし、戻るとするか…
……ん?)
来た道を戻ろうとした時、ラリーはどこからか不思議な風が頬をなでるのを感じた。
それは、先程から気まぐれに吹いている風とは違い、異常に冷たい風だった。
そんな冷たい風が時折どこかから流れて来るのだ。
(なんだ、なんだ?
なんだってこんな冷たい風が吹いてやがるんだ?)
ラリーは、風の方向を辿りながら歩き出した。
辿った先は切り立った崖の先だった。
(ここだ!確かに風はここから吹いてやがる。
一体どうなってるんだ?)
ごく狭い場所から、冷たい風が一定間隔を置いて吹いてくる。
ラリーはその不自然な風に強い興味をひかれ、風の流れて来る方向を注意深くみつめた。
ラリーのみつめる中で、そのあたりの空気が一瞬揺らめいた気がして、ラリーはごしごしと目をこする。
(あれ?なんだ、今の?)
今一度よく目を開いて見てみたが、ただ風がやんだだけで変わった所は何もなかった。
気のせいだったのだとラリーが思い直した頃、また先程と同じ現象がラリーの目に映った。
(間違いなんかじゃねぇ!
確かにあそこにはなにかあるぞ!)
空気の揺らめきは等間隔で出現してはまた消え、そしてそれと同時に風が吹きまたやむ…
(そうだ!きっとあそこに雪の花の手掛かりが…!!)
ラリーはひらめいた想像に鼓動が速くなった。
しかし、その場所は崖から少し離れた場所にある。
そこへ辿り着くには、崖から飛ばなければと行くことは出来ない。
(ここからジャンプしようなんて考える奴はよほどの命知らず…いや、大馬鹿者だな。)
ラリーは身を乗り出して崖の下をのぞきこむ。
下は森になっているがかなりの高さがあり、そこから落ちたらまず助からないだろうと思われた。
しかし、結局、何もみつけられないまま、頂上に出てしまった。
(やっぱり何もなかったな。
ま、良いさ。
今日は久し振りに良い汗をかいた。
そうだ…このあたりにちょっと見栄えの良い…色は、やっぱり白だな。
うん、そういう花があれば、それを摘んで帰ってやろう。
これが雪の花だ!…なぁ~んて言ったら、皆、驚くだろうな!)
ラリーは、子供っぽい悪戯を思いつき、白い花を探してそこらを歩き回る。
ところが、あたりには白いものはおろか、花そのものがどこにも咲いてはいなかった。
(畜生…ないな。
仕方ない…そろそろ陽も落ちて来る頃だし、戻るとするか…
……ん?)
来た道を戻ろうとした時、ラリーはどこからか不思議な風が頬をなでるのを感じた。
それは、先程から気まぐれに吹いている風とは違い、異常に冷たい風だった。
そんな冷たい風が時折どこかから流れて来るのだ。
(なんだ、なんだ?
なんだってこんな冷たい風が吹いてやがるんだ?)
ラリーは、風の方向を辿りながら歩き出した。
辿った先は切り立った崖の先だった。
(ここだ!確かに風はここから吹いてやがる。
一体どうなってるんだ?)
ごく狭い場所から、冷たい風が一定間隔を置いて吹いてくる。
ラリーはその不自然な風に強い興味をひかれ、風の流れて来る方向を注意深くみつめた。
ラリーのみつめる中で、そのあたりの空気が一瞬揺らめいた気がして、ラリーはごしごしと目をこする。
(あれ?なんだ、今の?)
今一度よく目を開いて見てみたが、ただ風がやんだだけで変わった所は何もなかった。
気のせいだったのだとラリーが思い直した頃、また先程と同じ現象がラリーの目に映った。
(間違いなんかじゃねぇ!
確かにあそこにはなにかあるぞ!)
空気の揺らめきは等間隔で出現してはまた消え、そしてそれと同時に風が吹きまたやむ…
(そうだ!きっとあそこに雪の花の手掛かりが…!!)
ラリーはひらめいた想像に鼓動が速くなった。
しかし、その場所は崖から少し離れた場所にある。
そこへ辿り着くには、崖から飛ばなければと行くことは出来ない。
(ここからジャンプしようなんて考える奴はよほどの命知らず…いや、大馬鹿者だな。)
ラリーは身を乗り出して崖の下をのぞきこむ。
下は森になっているがかなりの高さがあり、そこから落ちたらまず助からないだろうと思われた。
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