70 / 115
026.雪の花
2
しおりを挟む
「あぁ…そういえば…」
三人の中で一番年長の男が何かを思い出したように、話し始める。
「確か、雪の花のことは、日記に書いてあったんじゃなかったっけかなぁ…」
「日記…誰の日記だ?」
「そんなこと知るかよ。
確か、子供の頃そんなことをちらっと聞いた覚えがある。
ずいぶんと昔のことだから、俺もはっきりとは覚えてねぇんだけどよ。」
「じゃあ、日記を書いた奴は雪の花を見たことがあるってことになるよな?」
「そういうことだな!」
「それがなんで誰も見た事がない花ってことになるんだ?」
「それがわかっちゃ、伝説じゃなくなるからじゃねぇか?」
「そりゃあ、もっともだな!」
酔った男達の陽気な笑い声が、響いた。
「でもよぉ…
あの山には恐ろしい話もあんだぜ。
雪の花を探しに行ったまま、戻らなかった奴が何人か……あ……!」
「どうした?」
「……そうだ!あの山に行ったっきり戻らなかった旅人がいたんだ。
しばらくしてなぜだがこの先の町でそいつの荷物だけがみつかって、そこにあった日記に雪の花のことが書いてあったんだ!
うん、確かそういう話だったぞ!」
「それから、雪の花を探しに来る奴が増えたってわけか?
で、その日記にはどんな風に書いてあったんだ?」
「そこまでは覚えちゃいねぇよ。
なんせ昔のことだからな。」
特に、なにか手掛かりになるような話は聞けなかったが、ラリーは楽しい気分で酒を飲む事が出来た。
次の朝になり、店主に聞いた話によれば、雪の花があるとされる山はそう険しい山ではなく、体力のある者なら山に詳しい者でなくとも簡単に登れるということだった。
ただ、頂上付近には木々が生い茂った入り組んだ場所があることから、これまでにも行方不明になった者がいるので気を付けるようにとの注意を受けた。
三人の中で一番年長の男が何かを思い出したように、話し始める。
「確か、雪の花のことは、日記に書いてあったんじゃなかったっけかなぁ…」
「日記…誰の日記だ?」
「そんなこと知るかよ。
確か、子供の頃そんなことをちらっと聞いた覚えがある。
ずいぶんと昔のことだから、俺もはっきりとは覚えてねぇんだけどよ。」
「じゃあ、日記を書いた奴は雪の花を見たことがあるってことになるよな?」
「そういうことだな!」
「それがなんで誰も見た事がない花ってことになるんだ?」
「それがわかっちゃ、伝説じゃなくなるからじゃねぇか?」
「そりゃあ、もっともだな!」
酔った男達の陽気な笑い声が、響いた。
「でもよぉ…
あの山には恐ろしい話もあんだぜ。
雪の花を探しに行ったまま、戻らなかった奴が何人か……あ……!」
「どうした?」
「……そうだ!あの山に行ったっきり戻らなかった旅人がいたんだ。
しばらくしてなぜだがこの先の町でそいつの荷物だけがみつかって、そこにあった日記に雪の花のことが書いてあったんだ!
うん、確かそういう話だったぞ!」
「それから、雪の花を探しに来る奴が増えたってわけか?
で、その日記にはどんな風に書いてあったんだ?」
「そこまでは覚えちゃいねぇよ。
なんせ昔のことだからな。」
特に、なにか手掛かりになるような話は聞けなかったが、ラリーは楽しい気分で酒を飲む事が出来た。
次の朝になり、店主に聞いた話によれば、雪の花があるとされる山はそう険しい山ではなく、体力のある者なら山に詳しい者でなくとも簡単に登れるということだった。
ただ、頂上付近には木々が生い茂った入り組んだ場所があることから、これまでにも行方不明になった者がいるので気を付けるようにとの注意を受けた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
Gift
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
リクエストやら記念に書いたSS集です。
すべて、数ページ程の短編ですが、続き物になっているお話もあります。
私や他のクリエイター様のオリキャラを使ったものや、私のお話の番外編もあります。
1ページのあいうえお
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
1ページの中にいろんなものを詰め込んで…
あいうえお順のお題で書く短編集です。
基本1ページですが、たまにオーバーします。
主にリクエストで書かせていただきました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる