31 / 115
007.迷いの森
12
しおりを挟む
「でも、あなたには感謝しています。
私はこの1日、どんなに幸せだったかわかりません。
ありがとう…
心から感謝しています。」
「……ヴェールさん、私がどれほどお願いしてもだめなのですか?」
「ええ…」
「そうですか…
感情のままにいれば、あなたはずっと幸せでいられたものを…」
ジネットは、ヴェールから身体を離し立ちあがった。
「では、参りましょう…」
ジネットの少し後ろをヴェールは歩いて行く。
二人は何も話さず…たた、前だけを向いて…
「……ェー…こだ…」
「あ、あの声は…!」
ジネットが微笑みながら振り向いた。
「後は、あの声が道標ですね…」
「ジネットさん…」
「さようなら、ヴェールさん…
残念ですが、あなたはここにいなくてもきっとお幸せなのですね…」
「ジネットさん…!」
ヴェールは、ジネットの身体を抱きしめた。
離したくない、このままここにいたいという心の奥の本音を断ち切るように強く…
「ヴェール…!!
いないのか?」
遠くにレヴの声が聞こえる。
「……レヴさんがあなたを探してらっしゃいますわ…」
ジネットが、ヴェールの身体をそっと離す。
「ジネットさん…」
「ヴェールさん…さようなら…」
もう一度抱き締めたい衝動を押さえ、ヴェールは走り出した。
今、一度でも振り返ったら…自分の感情に負けてしまうかもしれない…
そう思い、少しでもその場を離れようとヴェールは全力で駆け出した…
息が止まるほどの勢いで、ただ前だけをみつめて…
私はこの1日、どんなに幸せだったかわかりません。
ありがとう…
心から感謝しています。」
「……ヴェールさん、私がどれほどお願いしてもだめなのですか?」
「ええ…」
「そうですか…
感情のままにいれば、あなたはずっと幸せでいられたものを…」
ジネットは、ヴェールから身体を離し立ちあがった。
「では、参りましょう…」
ジネットの少し後ろをヴェールは歩いて行く。
二人は何も話さず…たた、前だけを向いて…
「……ェー…こだ…」
「あ、あの声は…!」
ジネットが微笑みながら振り向いた。
「後は、あの声が道標ですね…」
「ジネットさん…」
「さようなら、ヴェールさん…
残念ですが、あなたはここにいなくてもきっとお幸せなのですね…」
「ジネットさん…!」
ヴェールは、ジネットの身体を抱きしめた。
離したくない、このままここにいたいという心の奥の本音を断ち切るように強く…
「ヴェール…!!
いないのか?」
遠くにレヴの声が聞こえる。
「……レヴさんがあなたを探してらっしゃいますわ…」
ジネットが、ヴェールの身体をそっと離す。
「ジネットさん…」
「ヴェールさん…さようなら…」
もう一度抱き締めたい衝動を押さえ、ヴェールは走り出した。
今、一度でも振り返ったら…自分の感情に負けてしまうかもしれない…
そう思い、少しでもその場を離れようとヴェールは全力で駆け出した…
息が止まるほどの勢いで、ただ前だけをみつめて…
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる