STORY BOXⅡ

ルカ(聖夜月ルカ)

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007.迷いの森

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「レヴさん!!突然、どうなさったんですか!」

 「ヴェール、ひさしぶりだな。
 元気そうでなによりだ。
 今日は、折り入って君に相談があってな…」

 「私に相談…ですか?
とにかく、どうぞ、中へ…」



ここは、西の森のヴェールの屋敷。
 予期せぬレヴの訪問に、ヴェールは驚きを隠せなかった。



 「あれから、もう何年になりますか…
かれこれ4年…いえ5年程になりますかね…」

ヴェールは、そう話しながらレヴの前に温かいお茶を差し出した。



 「そうだな…もうそんなになるんだな…
クリストは元気にしてるのか?」

 「ええ、あの子は少し内気ではあるんですが、元気に育ってくれてますよ。
 今は、ディサさんの所にいます。
 私よりディサさんの方に懐いていますので、ここにいるよりもあちらにいる方が多いんですよ。」

 「そうか…それで、クリストは今どのくらいの大きさ…大きさというのもおかしいな。
 人間で言うとどのくらいに見える?」

 「そうですね…
人間の子供として考えれば…10才くらいなのでしょうか?」

その時、扉を叩く音がして、クリストを連れたディサが部屋に入って来た。



 「まぁ、本当に来てらしたのですね。
レヴさん!おひさしぶりです!」

 「ディサさん!ご無沙汰してます。
 突然、押しかけてきてすみません。」

 「先程、あなたをみかけたという者がいたので来てみたのですが…どうかなさったのですか?」

 「ええ…ちょっとヴェールに相談したいことがありましてね…」

 「相談が…?」

 「ええ…ディサさん、その子はもしやクリスト…?」

 「その通りです。
クリスト、あなたは覚えていないと思いますが、この方はレヴさんとおっしゃって、あなたのご両親の大切なお友達なのですよ。
あなたが生まれたばかりの頃、お会いしてるんですよ。
ご挨拶なさい。」

 「レヴ様、はじめまして。
クリストです。」

ディサに背中を押され、おずおずと進み出たクリストは、ヴェールの言っていた通り、人間でいえば10歳くらいに見えた。
 子供から少年に変わるあたりの年齢だ。
 礼儀正しく真面目な印象だが、どこか神経質で暗い面も伺える。



 「レヴさん、今夜はぜひ夕飯をご一緒しましょう!
ヨンネやユスカ達も喜びますわ。」

 「ありがとうございます。
 楽しみにしてます。」

ディサは、ヴェールに相談があると言ったレヴに気を遣ったのか、それだけ言うとクリストを連れて部屋を出て行った。
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