夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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星とオリキャラ~地中の星~

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(そうか…セリナは自分のことだけじゃなくて、あのおばあさんの願い事やきっとみんなのことを祈って…)

無邪気な微笑を浮かべるセリナの顔が眩しく感じ、ラスターはそっと目を伏せた。



「きっと、叶うよ。
セリナが、今、願ったことは全部!」

「……そうだと良いな。
ラスターの願い事も叶うと良いね!」

「う、うん、そうだな。」

「ラスター…そろそろ帰らなくっちゃ。
ここまで来るのに思ったよりも時間がかかったから、急がないと夜が明けてしまうわ。」

セリナは立ち上がり、スカートの土を払った。
ラスターも、すぐにそれに倣う。



帰りの道程は登って来るよりもずっと楽なものだった。
一度通ったことがあるということや、魔物が出ないという安心感も心のゆとりに繋がったのかもしれない。
夜明けまでには十分帰りつけそうな目処がつき、二人は、誰もいない山道を、まるでハイキングでもしているかのように談笑しながら歩いて行く。




「そういえば、セリナ。
あのおばあさんの願いって、どんなことだったんだ?」

「まぁ!ラスターったら、あんなお話を聞いてもわかってなかったの!?」

「えっ…?
あの話を聞いたらわかることなのか?」

頷くセリナに、ラスターは腕を組み考える。



「……だめだ、ちっともわからねぇ!」

セリナは、苛々とした様子で髪をかきあげるラスターに向かって肩をすくめて見せた。



「……ラスターったら……おばあさんは、ね…
お星様がまた明るく元気に輝いてくれることを願ってたのよ。」

「えっ…?」

ラスターは、セリナの思いがけない答えに戸惑いの表情を見せた。



「ねぇ、ラスター、とても素敵なお話だと思わない?
何よりも先に、お星様の優しい気持ちに気付くことが出来るなんて、とても素晴らしいことだわ。
……私ね、きっと、おばあさんの願いは叶ってると思うのよ。
人間のことを想ってくれたお星様は、きっとおばあさんの気持ちに気付いてこの空のどこかで明るく元気に輝いてると思うの。」

そう言いながら、セリナは星々を抱き締めるように大きく両手を広げ、夜空を見上げた。



「……うん、そうだな。
……俺もそう思うよ。
きっとおばあさんの願いは叶ってる!」

セリナはラスターに向かって大きく頷き、二人は再び夜空を見上げた。



(願いなんて叶っても叶わなくても関係ないんだ…
ただ、その人を想い、願う気持ちは本当だから。
その気持ちさえあればそれで良いんだよな、きっと…)

ラスターは、セリナに背を向け、夜空の星に願いをかけた。
セリナの母親が、どうか早く無事にみつかりますように…と。
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