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伝言
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「確か、この町のはずだぞ。」
「オズワルドさん…いるかなぁ?」
旅は順調に進み、港町を発ってから、四日目の昼過ぎにはオズワルドが住んでいたと思われる小さな町に着いた。
ダルシャが通りがかりの男に声をかけ、町の住所がオズワルドの住んでた町に間違いないことを確認し、三人は町の奥へと進んで行った。
「やっぱり、ここに間違いないんだね。
それほど大きな町じゃなさそうだし、すぐにみつかりそうだね。」
「……だと良いのだがな。」
町で数人の人々に訊ねただけで、オズワルドの家はわかった。
ただ、彼はもう何ヶ月も家には戻って来ていないという話だった。
「ここだな。」
その家は、町外れにぽつんと佇んでいた。
周りは、広い畑に囲まれているが、作物もあまり手入れをされていないようだった。
オズワルドがいないことは聞いていたが、ダルシャは律儀に扉を叩く。
「オズワルドさん、いらっしゃいませんか?」
ノックにもかけた声にも返事はなく、家はしんと静まっていた。
「失礼します。」
ダルシャがノブをまわすと、扉はすんなりと開いた。
「えっ!ダルシャ…勝手に入って良いの?」
「勝手じゃないぞ。
ちゃんと、失礼しますと言ったじゃないか。」
部屋の中はきちんと片付いており、オズワルドという者男が几帳面な者だということをうかがわせた。
特に荒らされたような様子もないため、事件のようなものにあったわけではないだろうとダルシャは考えた。
「あ、ダルシャ……
これ、レオナルドって書いてあるけど、あのおじいさんかしら?」
誰かが郵便受けから持って来たのか、まだ封を切られていないレオナルドからの手紙が三通程、机の上に置いてあった。
「そうだな…日付を……」
ダルシャが話しかけた時、扉を開く音がして、三人が振り返ると、そこには年配の男が立っていた。
「あんたら、誰なんだ!?」
男は、三人の姿を見て、たいそう驚いた表情を浮かべていた。
「確か、この町のはずだぞ。」
「オズワルドさん…いるかなぁ?」
旅は順調に進み、港町を発ってから、四日目の昼過ぎにはオズワルドが住んでいたと思われる小さな町に着いた。
ダルシャが通りがかりの男に声をかけ、町の住所がオズワルドの住んでた町に間違いないことを確認し、三人は町の奥へと進んで行った。
「やっぱり、ここに間違いないんだね。
それほど大きな町じゃなさそうだし、すぐにみつかりそうだね。」
「……だと良いのだがな。」
町で数人の人々に訊ねただけで、オズワルドの家はわかった。
ただ、彼はもう何ヶ月も家には戻って来ていないという話だった。
「ここだな。」
その家は、町外れにぽつんと佇んでいた。
周りは、広い畑に囲まれているが、作物もあまり手入れをされていないようだった。
オズワルドがいないことは聞いていたが、ダルシャは律儀に扉を叩く。
「オズワルドさん、いらっしゃいませんか?」
ノックにもかけた声にも返事はなく、家はしんと静まっていた。
「失礼します。」
ダルシャがノブをまわすと、扉はすんなりと開いた。
「えっ!ダルシャ…勝手に入って良いの?」
「勝手じゃないぞ。
ちゃんと、失礼しますと言ったじゃないか。」
部屋の中はきちんと片付いており、オズワルドという者男が几帳面な者だということをうかがわせた。
特に荒らされたような様子もないため、事件のようなものにあったわけではないだろうとダルシャは考えた。
「あ、ダルシャ……
これ、レオナルドって書いてあるけど、あのおじいさんかしら?」
誰かが郵便受けから持って来たのか、まだ封を切られていないレオナルドからの手紙が三通程、机の上に置いてあった。
「そうだな…日付を……」
ダルシャが話しかけた時、扉を開く音がして、三人が振り返ると、そこには年配の男が立っていた。
「あんたら、誰なんだ!?」
男は、三人の姿を見て、たいそう驚いた表情を浮かべていた。
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