夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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ポーリシアの老女

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 「そうか、それでフォスターに行ったんだな……
でも、ダルシャもやっぱりなんともなかっただろ?」

 夕食後、部屋に戻ったフレイザーが苦しそうに、腹をさする。




 「……まぁな……」

 「ジャック、俺達はもう長い間一緒に旅をする仲間だ。
おまえのこともわかってるつもりだ。
 今更、どんなことを聞いても誰も驚きゃしないよ。」

 「……ダルシャはそうだったが……まだ、エリオットとラスターがる。」

 「二人にも話すつもりなのか?」

 「……だって…それこそ、奴らも旅の仲間だろ?」

 「そりゃそうだな。」

フレイザーはそう言って、失笑する。



 「それはそうと、あんたら、なんだって獣人なんかと知り合ったんだ?
 普通の人間は、獣人のことをとても恐れてるし、奴らは町にはいない。
たいてい山や森の中に住んでるから、わざわざ探さなきゃ会えないはずだ。」

 「まぁ、いろいろあってな……
実をいうと、願い石が縁で会ったようなもんなんだが…確かに、最初は怖かったぞ。
ダルシャなんて危険な目にもあった。
でも、話してみれば、噂とはずいぶん違うことがすぐにわかった。
ほら、おまえと初めて会ったあの日……その時も、俺、獣人の村に行った帰りだったんだ。」

 「獣人の村に……?
あんたら、そんなに頻繁に獣人の村に行ってるのか!?」

ジャックは目を丸くしてその話に驚く。



 「そうじゃない。
それはまぁたまたまなんだけどな。」

 「たまたまねぇ……
獣人と仲良くしてる人間なんて聞いたことがない。」

 「でも、現実にここにいるんだ。
おまえにもいつか会わせてやるよ。」

 「馬鹿言うな!
 俺は獣人なんか絶対にあわ……」

フレイザーは手をひらひらと振って、それ以上聞きたくないという意志を示した。



 「わかった、わかった。
そりゃそうと、エリオット達、今日は必死でケーキを焼いてたぜ。
だから、明日はまたフォスターまでケーキ売りだ!
 連続で行くのが辛いなら俺だけで行って来るが……」

 「大丈夫だ…ケーキはダルシャもほしがってたし、明日もすぐに完売だな。」

 「そりゃあ良かった。
あと何回か売りに行けば、きっとすぐに評判になるな。
そういえば、あの井戸な……見てもらったら、壊れてないって言うんだ。
なのに水は全然上がらない……もっと、まともな奴にみてもらわないとだめみたいだな。」

 「泉まで毎日水くみって大変だもんな。
 早く直れば良いな……」
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