夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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ポーリシアの老女

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「残念だけど、俺達はすぐに帰るよ。
 宿屋のおやじさんが俺達に夕食を食べさせるのを楽しみにしてるんだ。
ここの宿屋はいつも客が少ないからな。
……それはそうと、俺、考えたんだけどさ…
あと何日か売りに行ったら、きっとあのケーキの噂は広まると思うんだ。
そしたら、どこかの商店と契約して、ここまで取りに来てもらうようにしたらどうだろう?
エリオットはいずれここを離れなきゃならないけど、そういう筋道をつけておけば、イリヤ一人でも仕事が出来るし、おばあさんはイリヤに面倒をみてもらえるだろ?」

 「そ、そんな……おばあさんにそんな迷惑はかけられないよ。」

 「それはこっちの台詞だよ。
イリヤにそんな迷惑はかけられない。」

 「僕は、迷惑なことなんてないけど、おばあさんが……」

 二人をやりとりを見ていたフレイザーが失笑する。



 「なんだよ、お互い、同じこと言って。
どっちも迷惑じゃないなら、問題ないじゃないか。
 今すぐにってわけじゃないけど、そういうことも今から考えておけば良いじゃないか。」

 「そりゃあ……イリヤにそうしてもらえたら、私はすごく助かるけどさ…」

 「おばあさん、それ本当?僕、本当にずっとここに住んで良いの?
これからもここでケーキを焼いて良いの?」

 「あぁ、もちろんだよ……こんな所で良かったら、いつまででもいておくれ。」

 「あ、ありがとう!おばあさん!」

イリヤはサンドラの手を両手で握り締めた。



 「良かったな。これでイリヤの住む所も仕事も、おばあさんのことも全部解決じゃないか。
とにかくもうしばらくはみんなで頑張ろうぜ!
 俺達も協力するからな!」

 「うん、そうだね!
あぁ……こんなことなら、粉を買っておくんだったね。
まさか全部売れるなんて思わなかったから。」

 「エリオット、明日このお金ですぐに粉を買おうよ!
それと、井戸もみてもらおう!」

 「うん、そうしよう!」

エリオットとイリヤは顔を見合せてお互いに微笑んだ。
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