夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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ポーリシアの老女

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「おまえの言う通りだな。
でも…多分、今度も最高記録は更新出来ないだろうな。
 三、四日が限度って所じゃないかな?
 願い石についての情報を聞き込んだら、すぐに戻って来るだろうから。」

 「そ…そうだな……」

フレイザーのその言葉は、ジャックの心を動揺させた。
あと数日のうちに、自分の隠し事をフレイザーに話さなければ、代わりにセリナに話されてしまう。
そのことが、ジャックの気持ちを酷く焦らせた。



 「ジャック……どうかしたのか?
 顔色が良くないみたいだが、疲れたのか?」

 「なんでもないよ。
ところで、フレイザー……俺……あの……」

 「あ!エリオットだ!」

 沼の向こうにエリオットの姿をみつけ、不意に立ちあがろうとしたフレイザーの腕を、ジャックは慌てて引きとめた。



 「駄目だ!
 騒いだら婆さんに叱られるかもしれないし、エリオットだってあんたの姿を見たら早く帰りたくなるだろ。」

 「あ、そっか……」

フレイザーは、素直にジャックの言葉に従った。



 「あいつ…頑張ってるみたいだな…」

 家の前で何かの作業をするエリオットを目で追いながら、フレイザーが呟く。
ジャックは、そんなフレイザーの様子を寂しそうにみつめていた。



 「……あんた…本当はエリオットのことが…」

 「えっ!?今、何か言ったか?」

ジャックの声はとても小さなもので、フレイザーの耳には届かなかった。



 「……なんでもない。
 俺……宿に戻るよ。」

 「ジャック、急にどうしたんだ!?
 体調でも…」



ジャックは、フレイザーに答える事もなく、すたすたとその場を後にした。



 「ま、待てって!俺も帰るよ。」

フレイザーは慌ててその場から立ちあがり、ジャックの後を追いかけた。

 
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