夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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ポーリシアの老女

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「ジャック……俺、決めた……」

フレイザーは涙を拭い、鼻をすすりながら、ぽつりとそう呟いた。



 「決めたって…何を?」

 「ジャック……その…お、お、俺と……」

 大量の汗を流しながらしどろもどろに話すフレイザーを、ジャックは怪訝な顔でじっとみつめる。



 「フレイザー…本当にどうしたんだ?
 何かあったのか?」

 「ジャック……お…お…俺と結婚してくれ!」

 「……は…?
なんだって?」

 「ジャック、頼む!
 俺と……」

フレイザーはそう言いながら、ジャックの腕を掴み自分の元へ引き寄せようとした。



 「は、離せ!
フレイザー、どうしたんだ!?
どっかで頭でも打ったのか?
 大丈夫なのか!?」

フレイザーの奇妙な行動に、ジャックはその手を振り払い、じりじりと後ずさりする。



 「ジャック!俺は頭なんて打ってない。
 俺はただ……」

 「あ……」



その時、くすくすと小さな笑い声が響き、近くの木陰からランプの光りと共に二つの影が現れた。



 「セリナ!それに、ダルシャ…
どうしたんだ、あんたらまで…」

 「セリナ…だめじゃないか、せっかく良い所だったのに…」

 「私だって我慢してたのよ。
でも、フレイザーったら……」

セリナは口元を押さえ、俯いて肩を奮わせる。



 「もうっ…一体、何がどうなってるんだ!?
なんであんたらがここにいて、フレイザーが何を言ってるのか、誰か説明してくれよ!」

ジャックの感情的な声が、夜の静寂に響き渡る。



 「……そうだな。
ここではなんだから、まずは宿屋にでも行こう。」

もやもやした気持ちを抱えながら、ジャックはダルシャの言葉に従い、宿屋に向かった。
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