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ポーリシアの老女
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「……ごめんね、ボクのことで心配かけて…
ボクは……大丈夫だから……
あ!そうだ!フレイザー、なにか相談があるって言ってたじゃない。
何?ジャックのことだったよね?」
「……そのことならもう良いよ。」
「良いことないよ。
話してよ!ね!何かあったの?」
わざと明るい声で話すエリオットをみつめ、フレイザーは小さな溜め息を一つ漏らし、困ったような笑みを浮かべた。
そして、ジャックに好意を持たれていることや船の中でのここ数日の出来事をゆっくりと話し始めた。
「何か様子がおかしいとは思ってたけど、そんなことがあったんだ…
それにしても、フレイザー…やっぱり気付いてなかったんだね。
ボクは気付いてたよ。
ジャックのこと男だと思いこんでたから、とっても複雑な気持ちだったんだ。」
「えっ!おまえも気付いてたのか!?
まいったなぁ…セリナやダルシャもそう言ってたし、みんな気づいてたのかよ…」
フレイザーは、決まりの悪い顔で頭をぼりぼりとかく。
「見てたら誰にだってわかるよ。
ボクもあんまりそういうことは敏感な方じゃないけど、ジャックの君への態度にはどう考えても深い愛が感じられたもん。
そっか…ついに告白されたんだ…
で、君はどう返事したの?」
「それを相談したかったんだ。
おまえも知ってると思うけど、俺、今まで女の子とつきあったことないし、もちろん告白されたんだって初めてだ。
だから、どうしたら良いのかわからないっていうか…俺自身、自分がジャックのことをどう思ってるのかわからないんだ。」
「わからないって……君の気持ちだよ!?
あぁ、そうか……好きでも嫌いでもないってこと?」
エリオットは、膝を叩いてフレイザーの顔を見た。
「それも少し違うな…
とりあえず、あいつのことは嫌いじゃない。
あいつは身体も弱いし、身よりもないし、それに…あんなことがあったって知ってからは守ってやらないといけないって気持ちが余計に強くなったのは事実だ。
好きだって言われたことも素直に嬉しかった…
でも……俺のそういう気持ちが恋愛感情なのかってなると、わからないんだよなぁ…
だから、ジャックにはその通りに伝えた。
自分の気持ちがわかるまで、返事は待ってほしいって…」
エリオットはその話に、呆れ顔で何度も首を振る。
ボクは……大丈夫だから……
あ!そうだ!フレイザー、なにか相談があるって言ってたじゃない。
何?ジャックのことだったよね?」
「……そのことならもう良いよ。」
「良いことないよ。
話してよ!ね!何かあったの?」
わざと明るい声で話すエリオットをみつめ、フレイザーは小さな溜め息を一つ漏らし、困ったような笑みを浮かべた。
そして、ジャックに好意を持たれていることや船の中でのここ数日の出来事をゆっくりと話し始めた。
「何か様子がおかしいとは思ってたけど、そんなことがあったんだ…
それにしても、フレイザー…やっぱり気付いてなかったんだね。
ボクは気付いてたよ。
ジャックのこと男だと思いこんでたから、とっても複雑な気持ちだったんだ。」
「えっ!おまえも気付いてたのか!?
まいったなぁ…セリナやダルシャもそう言ってたし、みんな気づいてたのかよ…」
フレイザーは、決まりの悪い顔で頭をぼりぼりとかく。
「見てたら誰にだってわかるよ。
ボクもあんまりそういうことは敏感な方じゃないけど、ジャックの君への態度にはどう考えても深い愛が感じられたもん。
そっか…ついに告白されたんだ…
で、君はどう返事したの?」
「それを相談したかったんだ。
おまえも知ってると思うけど、俺、今まで女の子とつきあったことないし、もちろん告白されたんだって初めてだ。
だから、どうしたら良いのかわからないっていうか…俺自身、自分がジャックのことをどう思ってるのかわからないんだ。」
「わからないって……君の気持ちだよ!?
あぁ、そうか……好きでも嫌いでもないってこと?」
エリオットは、膝を叩いてフレイザーの顔を見た。
「それも少し違うな…
とりあえず、あいつのことは嫌いじゃない。
あいつは身体も弱いし、身よりもないし、それに…あんなことがあったって知ってからは守ってやらないといけないって気持ちが余計に強くなったのは事実だ。
好きだって言われたことも素直に嬉しかった…
でも……俺のそういう気持ちが恋愛感情なのかってなると、わからないんだよなぁ…
だから、ジャックにはその通りに伝えた。
自分の気持ちがわかるまで、返事は待ってほしいって…」
エリオットはその話に、呆れ顔で何度も首を振る。
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