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波に揺られて
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「ねぇ、フレイザー…そろそろ中に入らない?」
「もうちょっとくらい良いじゃないか。
ほら、エリオット…星があんなに綺麗だぜ。」
「えーーー…なんだよ、フレイザーが星が綺麗だなんて、似合わないよ…
今日のフレイザーはなにか変だ。どうかしたの?」
「ど、どうもしないさ。
ただ、最近はおまえとも離れてたからその間の話をだな…」
「それならもう十分話したじゃない。
僕、もう眠いよ。」
そう言って、エリオットは小さなあくびを噛み殺した。
今回はさほど長い旅ではないことから、ダルシャ以外は個室ではなく一般の大部屋で過ごすことになった。
フレイザーの部屋は本来六人部屋だがジャックの他に同室の客はおらず、ラスターは別の部屋にいるため、フレイザーは必然的にジャックと二人でいることになる。
そのことが気詰まりで、フレイザーはエリオットに話があると呼び出してずっと甲板で他愛ない話を続けた。
「ねぇ、話の続きはまた明日にしようよ。
……それじゃあね。」
「じゃ、部屋まで送っていくよ。」
「大丈夫だよ、すぐそこなんだから。」
「もう遅いからな。
今のおまえは女の子だし、心配だ。」
なんだかんだと口実をつけてはフレイザーはエリオットから離れようとしない。
「おやすみ。」
「あぁ、おやすみ。」
エリオットを送り届けたフレイザーは、しばらくあたりをぶらぶらした後、ダルシャの部屋に行くことを思い着いた。
しかし、ダルシャの部屋のドアをノックしようとしたちょうどその時、中から女性の声が聞こえ、フレイザーはすごすごとその場を後にした。
(困ったな…
まだ何日もあるのに、毎晩甲板でうろうろしてるっていうのも変だし…
……そうだ。
疲れたっていって、すぐに寝たふりをすれば良い!
そうすれば、ジャックと話すこともないし…
よし、そうしよう。)
フレイザーはそう考え、部屋に戻った。
(……あれっ?)
いつもならフレイザーが戻って来るまでは起きて待っているジャックが、すでに眠っているのを見て、フレイザーはほっと胸を撫で下ろした。
(良かった…)
フレイザーは、ジャックを起こさないように気を遣いながら、そっとベッドに潜りこんだ。
「ねぇ、フレイザー…そろそろ中に入らない?」
「もうちょっとくらい良いじゃないか。
ほら、エリオット…星があんなに綺麗だぜ。」
「えーーー…なんだよ、フレイザーが星が綺麗だなんて、似合わないよ…
今日のフレイザーはなにか変だ。どうかしたの?」
「ど、どうもしないさ。
ただ、最近はおまえとも離れてたからその間の話をだな…」
「それならもう十分話したじゃない。
僕、もう眠いよ。」
そう言って、エリオットは小さなあくびを噛み殺した。
今回はさほど長い旅ではないことから、ダルシャ以外は個室ではなく一般の大部屋で過ごすことになった。
フレイザーの部屋は本来六人部屋だがジャックの他に同室の客はおらず、ラスターは別の部屋にいるため、フレイザーは必然的にジャックと二人でいることになる。
そのことが気詰まりで、フレイザーはエリオットに話があると呼び出してずっと甲板で他愛ない話を続けた。
「ねぇ、話の続きはまた明日にしようよ。
……それじゃあね。」
「じゃ、部屋まで送っていくよ。」
「大丈夫だよ、すぐそこなんだから。」
「もう遅いからな。
今のおまえは女の子だし、心配だ。」
なんだかんだと口実をつけてはフレイザーはエリオットから離れようとしない。
「おやすみ。」
「あぁ、おやすみ。」
エリオットを送り届けたフレイザーは、しばらくあたりをぶらぶらした後、ダルシャの部屋に行くことを思い着いた。
しかし、ダルシャの部屋のドアをノックしようとしたちょうどその時、中から女性の声が聞こえ、フレイザーはすごすごとその場を後にした。
(困ったな…
まだ何日もあるのに、毎晩甲板でうろうろしてるっていうのも変だし…
……そうだ。
疲れたっていって、すぐに寝たふりをすれば良い!
そうすれば、ジャックと話すこともないし…
よし、そうしよう。)
フレイザーはそう考え、部屋に戻った。
(……あれっ?)
いつもならフレイザーが戻って来るまでは起きて待っているジャックが、すでに眠っているのを見て、フレイザーはほっと胸を撫で下ろした。
(良かった…)
フレイザーは、ジャックを起こさないように気を遣いながら、そっとベッドに潜りこんだ。
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