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ディーラスを目指して
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「フレイザーは優しい人だから、きっとボクのことを気遣ってるんだと思うんだ。
もしかして、本当にそんなことがあったとしたら、ボクがますます傷つく事になるんじゃないかって考えてるんじゃないかな。
もしくは、ボクのやってしまったことをブライアンに知られたくないって思ってくれたのかも…」
エリオットの囁きにジャックは何も答えず、ただ小さく頷いた。
「……なぁに?二人で内緒話なんてして…」
訝しげな顔をするセリナに、エリオットは悪戯っぽい笑みを返す。
「ふふふ…たいしたことじゃないよ。
だけど、これはボクとジャックだけの秘密……ね、ジャック?」
「え?あ…あぁ…」
ジャックもエリオットと同じように…だが、どこか不自然な顔で微笑んだ。
その様子からジャックが自分の吐いた嘘を信じたことを確信し、エリオットは、フレイザーにほっとしたような微笑を投げかけた。
フレイザーには、エリオットの微笑の意味がわからなかったが、何か良いことがあったのだということだけは感じ、曖昧な笑みを浮かべた。
「ねぇ、ブライアン、これからあなたはどうするの?」
「え…あぁ、僕ですか?
僕は……スエルシアへ渡ろうと思ってるんです。」
不意にエリオットに話しかけられたブライアンは、束の間慌てながらもその問いに答えた。
「スエルシアに?」
「ええ…
知らない土地で、一からスタートしてみようと思いまして…
……実は、僕がこんな気持ちになれたのもすべてはダルシャのお陰なんです。」
「ダルシャの…?」
ダルシャは少し照れたような顔でゆっくりと首を振る。
「私は何もしていない。」
「……僕はきっぱり占い師をやめようと思った時にあの不思議な夢を見た…
……本当は……ここに願い石がなければ……僕は死ぬつもりだったんです。」
「ブライアン!」
「ダルシャ…
僕は皆にも聞いてもらいたいんです。」
思い掛けないブライアンの言葉に、皆、口を閉ざし、ただブライアンをみつめるばかりだった。
もしかして、本当にそんなことがあったとしたら、ボクがますます傷つく事になるんじゃないかって考えてるんじゃないかな。
もしくは、ボクのやってしまったことをブライアンに知られたくないって思ってくれたのかも…」
エリオットの囁きにジャックは何も答えず、ただ小さく頷いた。
「……なぁに?二人で内緒話なんてして…」
訝しげな顔をするセリナに、エリオットは悪戯っぽい笑みを返す。
「ふふふ…たいしたことじゃないよ。
だけど、これはボクとジャックだけの秘密……ね、ジャック?」
「え?あ…あぁ…」
ジャックもエリオットと同じように…だが、どこか不自然な顔で微笑んだ。
その様子からジャックが自分の吐いた嘘を信じたことを確信し、エリオットは、フレイザーにほっとしたような微笑を投げかけた。
フレイザーには、エリオットの微笑の意味がわからなかったが、何か良いことがあったのだということだけは感じ、曖昧な笑みを浮かべた。
「ねぇ、ブライアン、これからあなたはどうするの?」
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「スエルシアに?」
「ええ…
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「ブライアン!」
「ダルシャ…
僕は皆にも聞いてもらいたいんです。」
思い掛けないブライアンの言葉に、皆、口を閉ざし、ただブライアンをみつめるばかりだった。
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