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ディーラスを目指して
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「そして…?」
「え…?……あぁ、そして船の中であんたに出会って、それから銀色の髪のセリナに会えただろ?
俺はそれまで銀色の髪なんてみたことなかったし、おかしなことを言う人だとしか思わなかったけど、本当にいた。
あのおばあさんの言ったことは本当だったんだ。
でも、俺があのまますぐにスエルシアを離れてたら…いや、たとえ一本でも早くか遅くかの便にしてたら、二人に会うことはなかったんだよな。
あ、おばあさんにも会ってなかったかもしれないな。」
「そうだよな…
でも……逆に考えることも出来るよな。」
「……逆?」
フレイザーは、にこやかな顔で頷く。
「俺と出会うために、ジャックはスエルシアで二年近くもうろうろする羽目になったって風にさ。」
フレイザーの言葉に、ジャックは驚いたような顔を向けた。
「……ジャック、どうかしたのか?」
「い、いや…そんな風に考えたことなかったから…」
ジャックは、自分でも説明のしがたい奇妙な気分を感じていた。
(……フレイザーと出会うために……?)
「ところで、ジャック……俺、皆と合流してもおまえの秘密は誰にも言わないから、安心してくれよな。」
「え…?
あ……あぁ、フレイザー…そのことなんだけど…」
ジャックは、すでにセリナとダルシャは自分が女だとを知っていることをフレイザーに話した。
「な、なんだってーーー!
ジャック、酷いじゃないか!
おまえと一番仲が良いのは俺だと思ってたのに、俺より先に二人が知ってるなんて…」
「俺から打ち明けたんじゃないよ。
あれは、セリナにバレたから仕方なかったんだ。」
「なんだ、そうだったのか…セリナは巫女だからそういうとこは鋭いのかな…
でも、なんでダルシャは知ってるんだ?」
「セリナと話してる時、ダルシャも一緒にいたんだ。」
「……そうか。
じゃ、知らないのはエリオットとラスターだけなんだな。
この先も二人には言わないつもりなのか?」
ジャックは、黙って頷いた。
「わかった。
じゃ、俺も言わない。」
その言葉に、ジャックは安心したように微笑んだ。
「え…?……あぁ、そして船の中であんたに出会って、それから銀色の髪のセリナに会えただろ?
俺はそれまで銀色の髪なんてみたことなかったし、おかしなことを言う人だとしか思わなかったけど、本当にいた。
あのおばあさんの言ったことは本当だったんだ。
でも、俺があのまますぐにスエルシアを離れてたら…いや、たとえ一本でも早くか遅くかの便にしてたら、二人に会うことはなかったんだよな。
あ、おばあさんにも会ってなかったかもしれないな。」
「そうだよな…
でも……逆に考えることも出来るよな。」
「……逆?」
フレイザーは、にこやかな顔で頷く。
「俺と出会うために、ジャックはスエルシアで二年近くもうろうろする羽目になったって風にさ。」
フレイザーの言葉に、ジャックは驚いたような顔を向けた。
「……ジャック、どうかしたのか?」
「い、いや…そんな風に考えたことなかったから…」
ジャックは、自分でも説明のしがたい奇妙な気分を感じていた。
(……フレイザーと出会うために……?)
「ところで、ジャック……俺、皆と合流してもおまえの秘密は誰にも言わないから、安心してくれよな。」
「え…?
あ……あぁ、フレイザー…そのことなんだけど…」
ジャックは、すでにセリナとダルシャは自分が女だとを知っていることをフレイザーに話した。
「な、なんだってーーー!
ジャック、酷いじゃないか!
おまえと一番仲が良いのは俺だと思ってたのに、俺より先に二人が知ってるなんて…」
「俺から打ち明けたんじゃないよ。
あれは、セリナにバレたから仕方なかったんだ。」
「なんだ、そうだったのか…セリナは巫女だからそういうとこは鋭いのかな…
でも、なんでダルシャは知ってるんだ?」
「セリナと話してる時、ダルシャも一緒にいたんだ。」
「……そうか。
じゃ、知らないのはエリオットとラスターだけなんだな。
この先も二人には言わないつもりなのか?」
ジャックは、黙って頷いた。
「わかった。
じゃ、俺も言わない。」
その言葉に、ジャックは安心したように微笑んだ。
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