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ディーラスを目指して
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「山を降りてしばらくしたある日、俺は道中に具合が悪くなった。
そのあたりは町から町への間隔が離れていて、たいていの旅人は馬車で行くような場所だったんだが俺は金がないから何日もかけて歩いてた。
早く町に辿り着きたくて、その間、無理して歩いてたし、ろくなものを食べていなかったのもあったんだろう。
町の明かりが近くに見えているのに、俺にはもそこまで行きつく元気がなくて、道端で休んでたんだ。
……そこへ若い男達がやって来た。」
そこまで話すと、ジャックは拳を固く握り締め唇を噛んだ。
「男達はとても親切で、この近くに家があるからそこで休んだら良いと言って、俺に熱の下がる薬を飲ませてくれた
俺は、心から感謝したよ…世の中にはこんなに親切な人がいるんだって…
薬を飲むと、男の中の一人が俺を背負ってくれた。
歩くのは大変だろうからってな。
俺は背負われているうちに急に眠くなってきた。
そして、知らないうちにそのまま眠ってしまったんだ…」
「……ジャック…まさか……」
フレイザーの脳裏に悪い想像が思い浮かび、躊躇いがちに放たれたその言葉にジャックは何も答えず淡々と話を続けた。
「俺は痛みと苦しさで目が覚めた。
苦しいと感じたのは俺の身体の上に男が乗ってたからだった。
俺は……俺は何が起きてるのかすぐには理解出来なくて…ただ、酷く痛むことしかわからず…
そして……」
「ジャック…もう良い!
それ以上言わなくて良い!」
フレイザーは、声を上げ、ジャックの方から顔を逸らした。
「俺は、何も着てないことに気が付いた。
男も何も着てなかった。
どこかわからない暗い場所で俺は裸にされて…」
フレイザーの言うことも聞かずに話し続けるジャックの息遣いが激しくなり、声が上ずったものに変わっていった。
「ジャック!やめろって言ってるだろ!」
フレイザーは痛みをこらえて上体を起こし、ジャックの肩を抱き締めた。
「もうわかった……」
フレイザーはジャックの耳元で優しく囁く。
船の中でジャックに薬を飲ませようとした時、あれほど飲むのを拒んだ理由をフレイザーは今の話で理解し、たまらない気持ちになっていた。
ジャックは、そんなフレイザーの気持ちも知らず、その身体を静かに振りほどきなおも言葉を続ける。
「……俺は男達に代わる代わる犯され、抵抗したら酷く殴られて…泣いても叫んでもやめてはくれなくて…
そして……明るくなった頃、ようやく奴らは俺を置いてどこかに行った……」
「……なんて酷いことを……!」
フレイザーは拳でベッドを叩き付けた。
そのあたりは町から町への間隔が離れていて、たいていの旅人は馬車で行くような場所だったんだが俺は金がないから何日もかけて歩いてた。
早く町に辿り着きたくて、その間、無理して歩いてたし、ろくなものを食べていなかったのもあったんだろう。
町の明かりが近くに見えているのに、俺にはもそこまで行きつく元気がなくて、道端で休んでたんだ。
……そこへ若い男達がやって来た。」
そこまで話すと、ジャックは拳を固く握り締め唇を噛んだ。
「男達はとても親切で、この近くに家があるからそこで休んだら良いと言って、俺に熱の下がる薬を飲ませてくれた
俺は、心から感謝したよ…世の中にはこんなに親切な人がいるんだって…
薬を飲むと、男の中の一人が俺を背負ってくれた。
歩くのは大変だろうからってな。
俺は背負われているうちに急に眠くなってきた。
そして、知らないうちにそのまま眠ってしまったんだ…」
「……ジャック…まさか……」
フレイザーの脳裏に悪い想像が思い浮かび、躊躇いがちに放たれたその言葉にジャックは何も答えず淡々と話を続けた。
「俺は痛みと苦しさで目が覚めた。
苦しいと感じたのは俺の身体の上に男が乗ってたからだった。
俺は……俺は何が起きてるのかすぐには理解出来なくて…ただ、酷く痛むことしかわからず…
そして……」
「ジャック…もう良い!
それ以上言わなくて良い!」
フレイザーは、声を上げ、ジャックの方から顔を逸らした。
「俺は、何も着てないことに気が付いた。
男も何も着てなかった。
どこかわからない暗い場所で俺は裸にされて…」
フレイザーの言うことも聞かずに話し続けるジャックの息遣いが激しくなり、声が上ずったものに変わっていった。
「ジャック!やめろって言ってるだろ!」
フレイザーは痛みをこらえて上体を起こし、ジャックの肩を抱き締めた。
「もうわかった……」
フレイザーはジャックの耳元で優しく囁く。
船の中でジャックに薬を飲ませようとした時、あれほど飲むのを拒んだ理由をフレイザーは今の話で理解し、たまらない気持ちになっていた。
ジャックは、そんなフレイザーの気持ちも知らず、その身体を静かに振りほどきなおも言葉を続ける。
「……俺は男達に代わる代わる犯され、抵抗したら酷く殴られて…泣いても叫んでもやめてはくれなくて…
そして……明るくなった頃、ようやく奴らは俺を置いてどこかに行った……」
「……なんて酷いことを……!」
フレイザーは拳でベッドを叩き付けた。
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