夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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四つ目の大陸

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「……なんだか、ものすごく慌しかったな…」

 「……そうだね。
もしかしたら……セリナは俺に気を遣ってくれたのかもしれない。」

 「セリナがおまえに?
……どういうことなんだ?」

 宿へ戻る道すがら、フレイザーとジャックは歩きながら話を交わす。



 「実は、昨夜、セリナと話してる時に願い石の話が出て…その時に、俺、占い師の話を思い出したんだ。
セリナもすっかり忘れてたみたいだった。
それで、もし、占い師の話が本当だったとしたら、願い石を取り逃がしたのは俺のせいだって言ったんだ。
だって、俺がラスターとあんな騒ぎを起こしたせいだからな。
あんなことがあれば、皆が忘れるのも無理はない。
そしたら、セリナがすぐにダルシャに話して来るって言って…
きっと、セリナは俺が自分のせいだと思わないように、頑張ってくれてるんじゃないかって思うんだ。
 今からだったらかなり無理しないと追い付けないだろうに…」

まるで独り言のように俯いて話すジャックの横顔を、フレイザーは驚いた様子でみつめた。
フレイザーが何も返事をしないことを不信に感じたジャックはようやく顔をあげ、フレイザーの顔を見て逆に驚く。



 「……俺、何か変なこと言ったか?」

 「え……あぁ、ちょっとびっくりした。
おまえ…なんだか急に変わったな。」

 「変わったって…何が?」

フレイザーの表情が不意に緩み、ジャックの肩を威勢良く叩いた。



 「い…痛いな。
なんだよ、フレイザー!」

 「……すまんすまん。
でも…嬉しかったんだ。
おまえが、セリナの気持ちをそんな風に考えるなんて…」

 「えっ!?」

 「……こういうものは自分では気付かないもんなのかな?
 考えてみろよ…ジャック、おまえは誰かのことをそんな風に考えたことがあったか?」

 「……そんな風って、どんな風なんだよ。」

 「おまえ、いつもなんでも悪い風に考えてなかったか?
 間違っても、誰かがおまえのために気を遣ってくれたなんて…そんな風に考えたことなんてなかっただろ!?」

 思いがけないことをフレイザーに指摘されて、ジャックは声にならない声をあげ、頬を赤く染めた。
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