311 / 802
四つ目の大陸
50
しおりを挟む
「……そういえば…」
「何?どうかしたの?」
「あの件ですっかり忘れてたけど…ダルシャは商売女の言うことを信じてディーラスに行こうとしてただろ?
占い師がディーラスに石があるって言ったとかで……でも、あんなことがあったから、完全に出遅れたよな。
もしその話が本当だったとしても、今からだったら、もう絶対に間に合わない。」
「あ……そうだったわね!
私、すっかりそのことを忘れてたわ。」
セリナは、本来の目的を思い出し大きく頷いた。
「俺も、今、願い石の話をするまですっかり忘れてた。
でも……もしも、その話が本当だったとしたら、俺がそのチャンスを潰したようなもんだな…」
ジャックはそう言うと、目を伏せて俯いた。
「そんなことないわ!
ジャック、あなた、諦めが良過ぎるわよ。
確か、あの時は占い師が発ってからまだ三日しか経ってないってことだったわよね。
今回のことでずいぶん遅れてしまったことは事実だけど、その人は路銀がないって話だったからディーラスまで四週間はかかるのよね?
だったら、馬車で行けばチャンスはある筈よ!
馬車はディーラスまでは走ってないそうだけど…」
「ヘイレンって町まであるんじゃなかったか?」
「そう!そうだったわね。
…だから、今から追いかければ追い付けないことはないわ、きっと…
……あ……これはチャンスなんだわ!」
「……チャンス?」
セリナは、その理由は答えず、ただジャックに向かってにこやかに微笑んだ。
「私、早速、ダルシャに話して来るわ。
きっと、ダルシャも忘れてると思うもの。
…さぁ、忙しくなるわよ!」
「あ……」
セリナは、ジャックの差し伸ばした腕にも気付かずに、そのまま部屋を飛び出した。
一人、部屋に残されたジャックは、セリナの突発的な行動の意味が理解出来ず、呆然と扉をみつめていた。
「何?どうかしたの?」
「あの件ですっかり忘れてたけど…ダルシャは商売女の言うことを信じてディーラスに行こうとしてただろ?
占い師がディーラスに石があるって言ったとかで……でも、あんなことがあったから、完全に出遅れたよな。
もしその話が本当だったとしても、今からだったら、もう絶対に間に合わない。」
「あ……そうだったわね!
私、すっかりそのことを忘れてたわ。」
セリナは、本来の目的を思い出し大きく頷いた。
「俺も、今、願い石の話をするまですっかり忘れてた。
でも……もしも、その話が本当だったとしたら、俺がそのチャンスを潰したようなもんだな…」
ジャックはそう言うと、目を伏せて俯いた。
「そんなことないわ!
ジャック、あなた、諦めが良過ぎるわよ。
確か、あの時は占い師が発ってからまだ三日しか経ってないってことだったわよね。
今回のことでずいぶん遅れてしまったことは事実だけど、その人は路銀がないって話だったからディーラスまで四週間はかかるのよね?
だったら、馬車で行けばチャンスはある筈よ!
馬車はディーラスまでは走ってないそうだけど…」
「ヘイレンって町まであるんじゃなかったか?」
「そう!そうだったわね。
…だから、今から追いかければ追い付けないことはないわ、きっと…
……あ……これはチャンスなんだわ!」
「……チャンス?」
セリナは、その理由は答えず、ただジャックに向かってにこやかに微笑んだ。
「私、早速、ダルシャに話して来るわ。
きっと、ダルシャも忘れてると思うもの。
…さぁ、忙しくなるわよ!」
「あ……」
セリナは、ジャックの差し伸ばした腕にも気付かずに、そのまま部屋を飛び出した。
一人、部屋に残されたジャックは、セリナの突発的な行動の意味が理解出来ず、呆然と扉をみつめていた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
素質ナシの転生者、死にかけたら最弱最強の職業となり魔法使いと旅にでる。~趣味で伝説を追っていたら伝説になってしまいました~
シロ鼬
ファンタジー
才能、素質、これさえあれば金も名誉も手に入る現代。そんな中、足掻く一人の……おっさんがいた。
羽佐間 幸信(はざま ゆきのぶ)38歳――完全完璧(パーフェクト)な凡人。自分の中では得意とする持ち前の要領の良さで頑張るが上には常に上がいる。いくら努力しようとも決してそれらに勝つことはできなかった。
華のない彼は華に憧れ、いつしか伝説とつくもの全てを追うようになり……彼はある日、一つの都市伝説を耳にする。
『深夜、山で一人やまびこをするとどこかに連れていかれる』
山頂に登った彼は一心不乱に叫んだ…………そして酸欠になり足を滑らせ滑落、瀕死の状態となった彼に死が迫る。
――こっちに……を、助けて――
「何か……聞こえる…………伝説は……あったんだ…………俺……いくよ……!」
こうして彼は記憶を持ったまま転生、声の主もわからぬまま何事もなく10歳に成長したある日――
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移
龍央
ファンタジー
高校生紺野陸はある日の登校中、車に轢かれそうな女の子を助ける。
え?助けた女の子が神様?
しかもその神様に俺が助けられたの?
助かったのはいいけど、異世界に行く事になったって?
これが話に聞く異世界転移ってやつなの?
異世界生活……なんとか、なるのかなあ……?
なんとか異世界で生活してたら、今度は犬を助けたと思ったらドラゴン?
契約したらチート能力?
異世界で俺は何かをしたいとは思っていたけど、色々と盛り過ぎじゃないかな?
ちょっと待って、このドラゴン凄いモフモフじゃない?
平凡で何となく生きていたモフモフ好きな学生が異世界転移でドラゴンや神様とあれやこれやしていくお話し。
基本シリアス少な目、モフモフ成分有りで書いていこうと思います。
女性キャラが多いため、様々なご指摘があったので念のため、タグに【ハーレム?】を追加致しました。
9/18よりエルフの出るお話になりましたのでタグにエルフを追加致しました。
1話2800文字~3500文字以内で投稿させていただきます。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させて頂いております。
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
前世の祖母に強い憧れを持ったまま生まれ変わったら、家族と婚約者に嫌われましたが、思いがけない面々から物凄く好かれているようです
珠宮さくら
ファンタジー
前世の祖母にように花に囲まれた生活を送りたかったが、その時は母にお金にもならないことはするなと言われながら成長したことで、母の言う通りにお金になる仕事に就くために大学で勉強していたが、彼女の側には常に花があった。
老後は、祖母のように暮らせたらと思っていたが、そんな日常が一変する。別の世界に子爵家の長女フィオレンティーナ・アルタヴィッラとして生まれ変わっても、前世の祖母のようになりたいという強い憧れがあったせいか、前世のことを忘れることなく転生した。前世をよく覚えている分、新しい人生を悔いなく過ごそうとする思いが、フィオレンティーナには強かった。
そのせいで、貴族らしくないことばかりをして、家族や婚約者に物凄く嫌われてしまうが、思わぬ方面には物凄く好かれていたようだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる