夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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四つ目の大陸

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 「エリオット、遅かったじゃないか。
 何かあったのか?」

 「ううん、別になんでもないよ。
……ねぇ、ジャック。
 僕、今夜からは宿に戻って良いかな?
なんだか疲れが出ちゃって…」

 「それは構わないけど……大丈夫なのか?」

 「うん、少し休めばすぐに元気になるよ。」

 病室の前でちょうどジャックと出くわしたエリオットは、そう言って微笑んで見せた。



 「じゃ、俺、ちょっと洗濯してくる。」

ジャックの後ろ姿を見送ったエリオットは小さな溜め息を一つ吐いて、病室の扉を開ける。



 「エリオット、えらく遅かったな。」

 「うん…まぁね。」

フレイザーにもジャックと同じことを言われ、エリオットは決まり悪そうに頭を掻いた。



 「向こうでなにかあったのか?」

 「ううん、セリナとちょっと話してたら、話が弾んじゃってね。」

 「もしかして、ラスターのことを相談してたのか?」

 「そうじゃないよ。他愛ない話。
それと、僕、今夜から宿に戻るからね。」

 「えっ?でも…ラスターのことがあって向こうにはい辛かったんじゃないのか?」

 「セリナが一緒だと何も言って来ないから大丈夫だよ。
……なんだか最近のセリナはすごいよ。
やっぱり、彼女はしっかりしてるっていうのか…強いっていうのか、何ていうのか…
とにかく、ここじゃゆっくり眠れないからね。
 悪いけど、君のことはジャックに任せるよ。」

 「そうか…
俺もまぁ数日したら退院するからそれは良いけど…
もし、ラスターが襲って来るようなことがあったら逃げてこいよ。」

 「襲うって…やだな、フレイザー。
 心配しなくても大丈夫だよ。
じゃ、着替えはここに置いとくからね。」

 「なんだ、もう帰るのか?」

 「うん、じゃ、お大事にね…」

エリオットはフレイザーに手を振って、病室を後にした。



 (……本当に大丈夫なのかな?)

エリオットは、ついさっき言われたセリナの言葉を思い出していた。

 「出来るだけ、フレイザーとジャックを二人っきりにしてあげるのよ。
そうすることで、二人の会話も多くなるしお互いのことがわかりあえるんだから…」



 (そりゃあそうかもしれないけど……
そんなことでフレイザーはジャックのことを好きになったりするんだろうか…?
ジャックが傷付くようなことにならなきゃ良いけど…)

もやもやとした気持ちを胸に抱きながら、エリオットは宿へ向かって足を進めた。

 
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