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四つ目の大陸
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*
「う……いて……」
ラスターは、痛む頭に顔をしかめる。
「おはよう、ラスター……」
「おはよう……って、エリオット……なんで……あ……」
エリオットの腫れて赤くなった瞳を見ているうちに、ラスターは昨夜のことを思い出した。
エリオットから聞いた思いがけない話…そして、エリオットを慰めるうちにラスターもどうしようもない気持ちになって、二人でわんわん泣いたこと…そして……
ラスターは、脳裏に思い出されたその記憶に頬を真っ赤に染めた。
「エリオット…あ、あ、あの、俺、昨夜…その、なんだ、変なことを言ってなかったか?」
「へ、変なこと?
ぼ、僕は、昨夜、あのことを君に話して泣いた後のことはあんまり覚えてないんだ。
な、なんだか相当酔ってたみたい。
そ、そうだ!ラスター、顔でも洗って来たら?
さっぱりするよ。」
エリオットは、急にテーブルの方を向き、倒れた酒瓶を片付けながらそう答えた。
「え?あ……あぁ、そうか…覚えてないか。
そうか……うん、そうだな!顔を洗って来よう!」
慌しく洗面所に向かっていくラスターに、エリオットはほっと胸を撫で下ろすと、窓を開け外の空気に火照った顔を突き出した。
(……ラスター、やっぱり覚えてたんだな。
いや、あの様子じゃ夢か現実かよくわからない感じかな?
まぁ、酔ってわけがわからなくなってたんだろうとは思うけど…それにしても、本当にびっくりしたよ…)
エリオットは昨夜の出来事を思い出していた。
懸命にエリオットをなぐさめ、励ましたラスターは、エリオットと一緒になって涙を流した。
これからは、悩みがあったらなんでも相談してくれと言われたまでは良かったが、その後、ラスターは何を思ったのか、エリオットに愛の告白をしたのだ。
曖昧な返事をして誤魔化すエリオットを、ラスターは抱き締め、彼の唇が近付いて来た時にエリオットは、慌てて気分が悪いふりをしてその場を逃れた。
(とにかく、昨夜のことは覚えてないふりをしなくちゃね…)
「う……いて……」
ラスターは、痛む頭に顔をしかめる。
「おはよう、ラスター……」
「おはよう……って、エリオット……なんで……あ……」
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エリオットから聞いた思いがけない話…そして、エリオットを慰めるうちにラスターもどうしようもない気持ちになって、二人でわんわん泣いたこと…そして……
ラスターは、脳裏に思い出されたその記憶に頬を真っ赤に染めた。
「エリオット…あ、あ、あの、俺、昨夜…その、なんだ、変なことを言ってなかったか?」
「へ、変なこと?
ぼ、僕は、昨夜、あのことを君に話して泣いた後のことはあんまり覚えてないんだ。
な、なんだか相当酔ってたみたい。
そ、そうだ!ラスター、顔でも洗って来たら?
さっぱりするよ。」
エリオットは、急にテーブルの方を向き、倒れた酒瓶を片付けながらそう答えた。
「え?あ……あぁ、そうか…覚えてないか。
そうか……うん、そうだな!顔を洗って来よう!」
慌しく洗面所に向かっていくラスターに、エリオットはほっと胸を撫で下ろすと、窓を開け外の空気に火照った顔を突き出した。
(……ラスター、やっぱり覚えてたんだな。
いや、あの様子じゃ夢か現実かよくわからない感じかな?
まぁ、酔ってわけがわからなくなってたんだろうとは思うけど…それにしても、本当にびっくりしたよ…)
エリオットは昨夜の出来事を思い出していた。
懸命にエリオットをなぐさめ、励ましたラスターは、エリオットと一緒になって涙を流した。
これからは、悩みがあったらなんでも相談してくれと言われたまでは良かったが、その後、ラスターは何を思ったのか、エリオットに愛の告白をしたのだ。
曖昧な返事をして誤魔化すエリオットを、ラスターは抱き締め、彼の唇が近付いて来た時にエリオットは、慌てて気分が悪いふりをしてその場を逃れた。
(とにかく、昨夜のことは覚えてないふりをしなくちゃね…)
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