夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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「ジャック…おまえはよほど悪い奴にばっかり出会ったんだな。
だが…たとえそうだったとしても、世の中はそんな奴ばかりじゃない。
そんなこと言っても信じられないか……無理して信じなくても良いんだ。
いつか自然にそのことがわかる日が来る。
おまえの事情も話したくないなら、話さなくて良い。
 話したくなったら話せば良い。
……そうそう、セリナがおまえも一緒に旅に連れて行ってくれるように、ダルシャに頼んでくれたぞ。」

 「え……」

 「エリオットも口添えしてくれた。
それで、ダルシャも承諾してくれたんだ。
おまえはこれから皆と一緒に願い石を探しに行くんだ。
……だから、もう二度とセリナにあんなことをするんじゃないぞ。
 困ったことがあったら、とにかくなんでも俺に話せ。良いか?
 約束しないと、このままずっと離さないぞ!」

 悪戯っぽくそう言って、フレイザーは両腕に力を込め、ジャックの身体を強く抱き締める。



 「わかった…わかったから離してくれよ。」

 迷惑そうに身体を動かすジャックに、ようやくフレイザーは腕の力を緩めた。



 「よし、男の約束だからな。」

フレイザーは、ジャックの髪の毛をくしゃくしゃと乱暴に撫でまわし、隣の椅子に腰を降ろした。



 「……フレイザー…俺、本当に一緒に連れて行ってもらえるのか?」

フレイザーの方には顔を向けず、ジャックは独り言のように呟いた。



 「あぁ…そうだ。
 簡単で良いから、一応皆には謝って挨拶するんだぞ。
それと……セリナがここの願い石を使ったことは聞いただろう?
セリナが、何を願ったか知ってるか?」

 「いや…聞いてない。」

 「だろうな…じゃ、教えてやろう。」



フレイザーは、セリナが願い石に願った事について、順を追って話し始めた。
それを聞くジャックの表情が、驚きの表情へ変わっていく。
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