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再会
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「ラスター!それにエリオット!
どうしてここへ?」
ダルシャの驚きをよそに、ラスターは部屋の中にずかずかと押し入り、きょろきょろとあたりを見渡す。
「ダルシャ、セリナはどこだ?
別の部屋で休んでるのか?
ジャックの野郎はどうした?」
「セリナ?
君達は、セリナをみつけられなかったのか?」
ダルシャのその言葉に、ラスターはダルシャの方に振り向く。
「町中を聞いて歩いたが、それらしき二人の姿を見た者はだれもいなかった。」
「だから、きっとこっちに行ったんだと思って…それで、飛んで来たんだよ。」
ラスターの言葉にかぶさるように、エリオットが口を挟んだ。
「飛んできた…?」
エリオットはそれには何も答えず、ただにっこりと微笑んだ。
「エリオット、無理しちゃだめだっていつも言ってるだろ!」
「大丈夫だって!
今日は二人だったし、アンゲラスからここまでって直線距離だと意外と近いんだよ。」
フレイザーは、悪戯っぽく微笑むエリオットに苦い顔を向けた。
「それじゃあ、セリナ達はアンゲラスにも向かった形跡がないってことか。」
「その言い方は、まさか、こっちにも?」
「そうだ…この町でもそれらしき二人を見た者はいなかった。
だから、てっきりセリナ達はそちらへ向かったと思い、明日、アンゲラスヘ向かおうと考えていたのだ。」
「どっちにも行ってないって、どういうことなんだよ!」
身を乗り出したラスターの前で、ダルシャは腕を組み、目を閉じる。
「……やられたな。
おそらく、私達はジャックの下手な小細工にまんまと騙されたのだ。
「ダルシャ、どういうことなんだ!?」
「ここへ来る間にはアンゲラス以外への脇道はなかった。
だから、本当にこちら側へ向かったとしたらアンゲラスかこちらへ来てる筈だ。
でも、いない…
つまり、わざわざこちら側へ向かったと思わせる痕跡を残したということは…
……逆へ向かったんじゃないだろうか?」
「逆~!?」
「そ、それじゃあ、セリナ達はゾラーシュの方へ向かったっていうの?」
ダルシャは厳しい顔つきで頷いた。
「ラスター!それにエリオット!
どうしてここへ?」
ダルシャの驚きをよそに、ラスターは部屋の中にずかずかと押し入り、きょろきょろとあたりを見渡す。
「ダルシャ、セリナはどこだ?
別の部屋で休んでるのか?
ジャックの野郎はどうした?」
「セリナ?
君達は、セリナをみつけられなかったのか?」
ダルシャのその言葉に、ラスターはダルシャの方に振り向く。
「町中を聞いて歩いたが、それらしき二人の姿を見た者はだれもいなかった。」
「だから、きっとこっちに行ったんだと思って…それで、飛んで来たんだよ。」
ラスターの言葉にかぶさるように、エリオットが口を挟んだ。
「飛んできた…?」
エリオットはそれには何も答えず、ただにっこりと微笑んだ。
「エリオット、無理しちゃだめだっていつも言ってるだろ!」
「大丈夫だって!
今日は二人だったし、アンゲラスからここまでって直線距離だと意外と近いんだよ。」
フレイザーは、悪戯っぽく微笑むエリオットに苦い顔を向けた。
「それじゃあ、セリナ達はアンゲラスにも向かった形跡がないってことか。」
「その言い方は、まさか、こっちにも?」
「そうだ…この町でもそれらしき二人を見た者はいなかった。
だから、てっきりセリナ達はそちらへ向かったと思い、明日、アンゲラスヘ向かおうと考えていたのだ。」
「どっちにも行ってないって、どういうことなんだよ!」
身を乗り出したラスターの前で、ダルシャは腕を組み、目を閉じる。
「……やられたな。
おそらく、私達はジャックの下手な小細工にまんまと騙されたのだ。
「ダルシャ、どういうことなんだ!?」
「ここへ来る間にはアンゲラス以外への脇道はなかった。
だから、本当にこちら側へ向かったとしたらアンゲラスかこちらへ来てる筈だ。
でも、いない…
つまり、わざわざこちら側へ向かったと思わせる痕跡を残したということは…
……逆へ向かったんじゃないだろうか?」
「逆~!?」
「そ、それじゃあ、セリナ達はゾラーシュの方へ向かったっていうの?」
ダルシャは厳しい顔つきで頷いた。
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