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それぞれの旅立ち
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「さぁ、これで水分を補給してくれ。」
ダルシャは、軽い冗談を交えながら、セリナとラスターのカップにお茶を注ぎ入れた。
二人は、黙ったまま、温かい湯気の立ち上るお茶に口を着けた。
「本当に良い香りだな。
……実は、家でこのお茶を飲んだのはけっこう久し振りなんだ。
いつもはつい手軽にコーヒーですませてしまってた。」
部屋に戻るなり、まるで独り言のようにそう呟いたオスカーは、カップを手に持ち、その香りを愉しんだ。
誰もそれ以上話すものはなく、部屋の中にはお茶をすする音と食器のすれあう音だけが静かに響く…
「……少しは落ちついたか…」
しばらく経って、オスカーがラスターに声をかけ、ラスターは泣き顔を見られたくないのか、俯いたまま小さく頷く。
「粗方の話は、さっき、この人から聞いた。
辛いとは思うが……諦めるしかない。
……慰めるわけじゃないけどな……おまえだけが悪いんじゃないんだ。
誰にだってどうしようもない運命みたいなもんがある。
きっと生まれる前から天に決められていたことだ。
……どんなに残念でも、理不尽なことでも、それは、誰にもどうすることも出来ないんだ。
そのうち、おまえにもそのことがきっとわかる日が来る筈だ。
今は思いっきり悩め、苦しめ!
……おまえには、こんなにも素晴らしい仲間がいるんだ。
おまえがどれほどボロボロになっても、この人達が支えてくれる。
おまえ…本当に幸せもんだぞ!」
そう言うと、オスカーは立ち上がり、ラスターの横に腰を降ろした。
そして、懐から水色の石を取りだし、ラスターの前に差し出した。
「オスカーさん、それは…!!」
透き通るようなその水色の石に、三人の視線は一斉に注がれた。
「さぁ、これで水分を補給してくれ。」
ダルシャは、軽い冗談を交えながら、セリナとラスターのカップにお茶を注ぎ入れた。
二人は、黙ったまま、温かい湯気の立ち上るお茶に口を着けた。
「本当に良い香りだな。
……実は、家でこのお茶を飲んだのはけっこう久し振りなんだ。
いつもはつい手軽にコーヒーですませてしまってた。」
部屋に戻るなり、まるで独り言のようにそう呟いたオスカーは、カップを手に持ち、その香りを愉しんだ。
誰もそれ以上話すものはなく、部屋の中にはお茶をすする音と食器のすれあう音だけが静かに響く…
「……少しは落ちついたか…」
しばらく経って、オスカーがラスターに声をかけ、ラスターは泣き顔を見られたくないのか、俯いたまま小さく頷く。
「粗方の話は、さっき、この人から聞いた。
辛いとは思うが……諦めるしかない。
……慰めるわけじゃないけどな……おまえだけが悪いんじゃないんだ。
誰にだってどうしようもない運命みたいなもんがある。
きっと生まれる前から天に決められていたことだ。
……どんなに残念でも、理不尽なことでも、それは、誰にもどうすることも出来ないんだ。
そのうち、おまえにもそのことがきっとわかる日が来る筈だ。
今は思いっきり悩め、苦しめ!
……おまえには、こんなにも素晴らしい仲間がいるんだ。
おまえがどれほどボロボロになっても、この人達が支えてくれる。
おまえ…本当に幸せもんだぞ!」
そう言うと、オスカーは立ち上がり、ラスターの横に腰を降ろした。
そして、懐から水色の石を取りだし、ラスターの前に差し出した。
「オスカーさん、それは…!!」
透き通るようなその水色の石に、三人の視線は一斉に注がれた。
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