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それぞれの旅立ち
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「おまえ…よくこんな道を通って無事だったな。
モンスターやおかしな輩に出会わなかったのは、奇蹟だぞ。」
しかし、アンドリューのその言葉とは裏腹に、三人が歩く間、モンスターもすれ違う者も全くいなかった。
何ヶ所か粗末な小屋のようなものがあったが、中には道具があるだけでどこも無人だった。
「リュシーさんはこの道を通りぬけたのですな。」
途中で何度か休んでは簡単な食事をしたり水を飲みながら進んだが、リュシーが言っていた通り、どこまで歩いても林が途切れることはなかった。
「なんと広い林なのだ…」
アンドリューが見上げた空は、いつの間にか青から赤に変わっていた。
「アンドリューさん、地図を見ました所、ここから一番近いのはヨギラという町ですが、近いと言ってもかなり遠いですぞ。
このあたりには、本当になにもありませんな。
はて、ここからどうしたものか…」
「そうだな、いくらなんでもこんなになにもないとは考えていなかった。
このままでは今夜の宿にも困るな。」
あたりは次第に暗くなってくる。
沈んだ気持ちと疲れた果てた身体をひきずりながら歩く三人の瞳に、ぼんやり灯る民家の灯かりが映った。
「おぉ、あそこに民家が!」
それはまさしく希望の光。
三人は疲れも忘れ、民家を目指した。
*
「ありがとう。
突然やって来た見ず知らずの私達を受け入れてくれて、本当に感謝している。」
「気にするこたぁない。
困った時はお互い様って奴さ。
このあたりにはやって来る奴はほとんどいないから、俺も気晴らしになっていいや。」
この家に住むのは、ロイという青年だった。
旅をしている途中で、ふとあの道に入りこんでしまい、へとへとになっている時にこの家をみつけたのだと言う。
家は無人だったため、勝手に休ませてもらううちに住みついてしまったのだと言って彼は笑った。
モンスターやおかしな輩に出会わなかったのは、奇蹟だぞ。」
しかし、アンドリューのその言葉とは裏腹に、三人が歩く間、モンスターもすれ違う者も全くいなかった。
何ヶ所か粗末な小屋のようなものがあったが、中には道具があるだけでどこも無人だった。
「リュシーさんはこの道を通りぬけたのですな。」
途中で何度か休んでは簡単な食事をしたり水を飲みながら進んだが、リュシーが言っていた通り、どこまで歩いても林が途切れることはなかった。
「なんと広い林なのだ…」
アンドリューが見上げた空は、いつの間にか青から赤に変わっていた。
「アンドリューさん、地図を見ました所、ここから一番近いのはヨギラという町ですが、近いと言ってもかなり遠いですぞ。
このあたりには、本当になにもありませんな。
はて、ここからどうしたものか…」
「そうだな、いくらなんでもこんなになにもないとは考えていなかった。
このままでは今夜の宿にも困るな。」
あたりは次第に暗くなってくる。
沈んだ気持ちと疲れた果てた身体をひきずりながら歩く三人の瞳に、ぼんやり灯る民家の灯かりが映った。
「おぉ、あそこに民家が!」
それはまさしく希望の光。
三人は疲れも忘れ、民家を目指した。
*
「ありがとう。
突然やって来た見ず知らずの私達を受け入れてくれて、本当に感謝している。」
「気にするこたぁない。
困った時はお互い様って奴さ。
このあたりにはやって来る奴はほとんどいないから、俺も気晴らしになっていいや。」
この家に住むのは、ロイという青年だった。
旅をしている途中で、ふとあの道に入りこんでしまい、へとへとになっている時にこの家をみつけたのだと言う。
家は無人だったため、勝手に休ませてもらううちに住みついてしまったのだと言って彼は笑った。
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