133 / 802
それぞれの旅立ち
26
しおりを挟む
「ジャック、余計なお世話かもしれないが、おまえも出来るだけ仲間を作った方が良いぞ。
いざという時、一人じゃ心細いだろ…?」
「俺は…他人と一緒に行くくらいなら一人の方がずっと良い……」
「……そうか、なら好きにしろ…
でも、本当に仲間って良いもんだぜ。
……とは言っても、うまくいかないこともあるにはあるんだ。
俺の仲間には貴族のことを憎んでるひねくれ者もいてな、そいつがしゅっちゅうダルシャに絡むんだ。
その度に俺達も気を遣わないといけなくてな。」
「フレイザーは一体何人で旅をしてるんだ?
金持ちのダルシャとそのひねくれ者と…魔法使いもいるって言ってたな。
四人で旅してるのか?」
「いや、五人だ。
あとセリナっていう女の子がいる。
ちょっと変わった子なんだけど、かなりのべっぴんさんだぜ。
しかも、髪の毛が銀色なんだ。」
「ぎ…銀色の髪……!
ま、まさか……」
ジャックの驚きようは尋常なものではなかった。
「……どうした?銀色の髪の毛になにか覚えがあるのか?」
「そ、そうじゃない……ただ、そんな髪の色の人間なんて見たことなくて…いや、そんな人間がいるなんて信じられない!嘘だ!そんなこと嘘に決まってる!」
ジャックは、青い顔をして立ち上がり、その身体は興奮のためか小刻みに震えている。
「ジャック、一体どうしたんだ?
俺がそんなことで嘘を吐いてどうなる?
セリナの髪の毛は本当に綺麗な銀色なんだ…」
ジャックは、放心したように椅子に腰を降ろした。
「ジャック…?」
「じゃあ……」
「どうしたんだ?」
「じゃあ、本当にそんな髪の色の人間がいるのかどうか、俺をその子に会わせてくれよ!
そしたら信じられる!」
「会わせるのは構わないが…
でも、おまえの用は良いのか?
行く場所が決まってたんじゃないのか?」
「俺は…俺はただスエルシアで一旗上げようと思って出て来ただけだ。
行く場所なんて決まってない!」
「……そうだったのか…わかった。
なら、セリナに会わせてやるよ。
……あ~あ、料理が冷めちまった。
早く食べてしまおうぜ!」
ジャックは頷き、テーブルの上の料理を口に運び始めたが、その瞳が別の何かを見ていることをフレイザーは見逃してはいなかった。
いざという時、一人じゃ心細いだろ…?」
「俺は…他人と一緒に行くくらいなら一人の方がずっと良い……」
「……そうか、なら好きにしろ…
でも、本当に仲間って良いもんだぜ。
……とは言っても、うまくいかないこともあるにはあるんだ。
俺の仲間には貴族のことを憎んでるひねくれ者もいてな、そいつがしゅっちゅうダルシャに絡むんだ。
その度に俺達も気を遣わないといけなくてな。」
「フレイザーは一体何人で旅をしてるんだ?
金持ちのダルシャとそのひねくれ者と…魔法使いもいるって言ってたな。
四人で旅してるのか?」
「いや、五人だ。
あとセリナっていう女の子がいる。
ちょっと変わった子なんだけど、かなりのべっぴんさんだぜ。
しかも、髪の毛が銀色なんだ。」
「ぎ…銀色の髪……!
ま、まさか……」
ジャックの驚きようは尋常なものではなかった。
「……どうした?銀色の髪の毛になにか覚えがあるのか?」
「そ、そうじゃない……ただ、そんな髪の色の人間なんて見たことなくて…いや、そんな人間がいるなんて信じられない!嘘だ!そんなこと嘘に決まってる!」
ジャックは、青い顔をして立ち上がり、その身体は興奮のためか小刻みに震えている。
「ジャック、一体どうしたんだ?
俺がそんなことで嘘を吐いてどうなる?
セリナの髪の毛は本当に綺麗な銀色なんだ…」
ジャックは、放心したように椅子に腰を降ろした。
「ジャック…?」
「じゃあ……」
「どうしたんだ?」
「じゃあ、本当にそんな髪の色の人間がいるのかどうか、俺をその子に会わせてくれよ!
そしたら信じられる!」
「会わせるのは構わないが…
でも、おまえの用は良いのか?
行く場所が決まってたんじゃないのか?」
「俺は…俺はただスエルシアで一旗上げようと思って出て来ただけだ。
行く場所なんて決まってない!」
「……そうだったのか…わかった。
なら、セリナに会わせてやるよ。
……あ~あ、料理が冷めちまった。
早く食べてしまおうぜ!」
ジャックは頷き、テーブルの上の料理を口に運び始めたが、その瞳が別の何かを見ていることをフレイザーは見逃してはいなかった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~
乃神レンガ
ファンタジー
謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。
二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。
更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。
それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。
異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。
しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。
国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。
果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。
現在毎日更新中。
※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。
素質ナシの転生者、死にかけたら最弱最強の職業となり魔法使いと旅にでる。~趣味で伝説を追っていたら伝説になってしまいました~
シロ鼬
ファンタジー
才能、素質、これさえあれば金も名誉も手に入る現代。そんな中、足掻く一人の……おっさんがいた。
羽佐間 幸信(はざま ゆきのぶ)38歳――完全完璧(パーフェクト)な凡人。自分の中では得意とする持ち前の要領の良さで頑張るが上には常に上がいる。いくら努力しようとも決してそれらに勝つことはできなかった。
華のない彼は華に憧れ、いつしか伝説とつくもの全てを追うようになり……彼はある日、一つの都市伝説を耳にする。
『深夜、山で一人やまびこをするとどこかに連れていかれる』
山頂に登った彼は一心不乱に叫んだ…………そして酸欠になり足を滑らせ滑落、瀕死の状態となった彼に死が迫る。
――こっちに……を、助けて――
「何か……聞こえる…………伝説は……あったんだ…………俺……いくよ……!」
こうして彼は記憶を持ったまま転生、声の主もわからぬまま何事もなく10歳に成長したある日――
さようなら、家族の皆さま~不要だと捨てられた妻は、精霊王の愛し子でした~
みなと
ファンタジー
目が覚めた私は、ぼんやりする頭で考えた。
生まれた息子は乳母と義母、父親である夫には懐いている。私のことは、無関心。むしろ馬鹿にする対象でしかない。
夫は、私の実家の資産にしか興味は無い。
なら、私は何に興味を持てばいいのかしら。
きっと、私が生きているのが邪魔な人がいるんでしょうね。
お生憎様、死んでやるつもりなんてないの。
やっと、私は『私』をやり直せる。
死の淵から舞い戻った私は、遅ればせながら『自分』をやり直して楽しく生きていきましょう。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い
八神 凪
ファンタジー
旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い
【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】
高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
彼女も居ないごく普通の男である。
そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
繁華街へ繰り出す陸。
まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。
陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。
魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。
次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。
「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。
困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。
『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』
そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。
「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」
陸はしがないただのサラリーマン。
しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。
今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移
龍央
ファンタジー
高校生紺野陸はある日の登校中、車に轢かれそうな女の子を助ける。
え?助けた女の子が神様?
しかもその神様に俺が助けられたの?
助かったのはいいけど、異世界に行く事になったって?
これが話に聞く異世界転移ってやつなの?
異世界生活……なんとか、なるのかなあ……?
なんとか異世界で生活してたら、今度は犬を助けたと思ったらドラゴン?
契約したらチート能力?
異世界で俺は何かをしたいとは思っていたけど、色々と盛り過ぎじゃないかな?
ちょっと待って、このドラゴン凄いモフモフじゃない?
平凡で何となく生きていたモフモフ好きな学生が異世界転移でドラゴンや神様とあれやこれやしていくお話し。
基本シリアス少な目、モフモフ成分有りで書いていこうと思います。
女性キャラが多いため、様々なご指摘があったので念のため、タグに【ハーレム?】を追加致しました。
9/18よりエルフの出るお話になりましたのでタグにエルフを追加致しました。
1話2800文字~3500文字以内で投稿させていただきます。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させて頂いております。
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる