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願い石の導き
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「セリナ…」
セリナの傍に近付こうとするエリオットの肩を、フレイザーが無言で引きとめた。
エリオットは少し驚いたようにフレイザーの顔を見上げ、やがてゆっくりと頷いた。
「……獣人達にはあとで謝りに来るとしよう…」
「え…っ?」
呟き声に四人が一斉にダルシャの方をみつめた。
「おい、ラスター、何をぼーっとしてるんだ?
早くナジュカを捕まえて来ておくれ。」
「え…あ…あぁ、そうだったな!
ようし!待っててくれよ!」
ラスターは、山の方へ駆け出した。
「待って!僕も行くよ!」
エリオットもラスターの後を追って走り出す。
「……良いのか、ダルシャ?」
フレイザーに向かってダルシャはにっこりと微笑んだ。
「こんな所で、呪いが役に立つとはな…
呪いをかけられたからって、そう悲観することもないのかもしれないな。」
「ダルシャ、無理しないで。
願いの石はここ以外にもあるわ。」
ダルシャは、セリナの肩に優しく手を置き、彼女の瞳をじっとのぞきこむ…
「セリナ…
どんな場合でも人を救うっていうことは難しいことだ。
うまくいかないことだってたくさんあると思うのだ。
だがな、一番大切な事はうまくやれるかどうかってことではない。
最善を尽くす事が出来るかどうかってことだ。
もしも、チャンスがあるのならそれを無駄にしてはいけない。
……正直言って今回のことには私も迷いはある。
獣人を騙すのもいやだし、下手をすれば私達は獣人の餌食になってしまうというリスクもある。
だが、セリナの母上の状況は深刻で、のんびりとやってられることではない。
多少のリスクを冒してでも急ぐべきことなのだ。」
「どうしてそこまで…」
「……どうして?…私達は仲間ではないか。」
「仲間……」
セリナの大きな瞳にうっすらと涙の粒が浮かんだ。
「だが、セリナ…
あまり期待しすぎるな。
万一、それが獣人の村にあるとしたら…それは双子石の可能性が強い。
フレイザーの言った通り、願い石ならば彼らがとっくになんらかの願いをかけているだろうからな。」
「ええ…わかっています。」
セリナは潤んだ瞳でダルシャの瞳をまっすぐに見据える。
ダルシャはセリナの身体を抱き締め、低い声で囁いた。
「君の母上は絶対に無事だ。
私達が必ず救い出すからな。」
「ありがとう、ダルシャ…」
ダルシャの腕の中で、セリナは込み上げる涙を必死で堪えた。
セリナの傍に近付こうとするエリオットの肩を、フレイザーが無言で引きとめた。
エリオットは少し驚いたようにフレイザーの顔を見上げ、やがてゆっくりと頷いた。
「……獣人達にはあとで謝りに来るとしよう…」
「え…っ?」
呟き声に四人が一斉にダルシャの方をみつめた。
「おい、ラスター、何をぼーっとしてるんだ?
早くナジュカを捕まえて来ておくれ。」
「え…あ…あぁ、そうだったな!
ようし!待っててくれよ!」
ラスターは、山の方へ駆け出した。
「待って!僕も行くよ!」
エリオットもラスターの後を追って走り出す。
「……良いのか、ダルシャ?」
フレイザーに向かってダルシャはにっこりと微笑んだ。
「こんな所で、呪いが役に立つとはな…
呪いをかけられたからって、そう悲観することもないのかもしれないな。」
「ダルシャ、無理しないで。
願いの石はここ以外にもあるわ。」
ダルシャは、セリナの肩に優しく手を置き、彼女の瞳をじっとのぞきこむ…
「セリナ…
どんな場合でも人を救うっていうことは難しいことだ。
うまくいかないことだってたくさんあると思うのだ。
だがな、一番大切な事はうまくやれるかどうかってことではない。
最善を尽くす事が出来るかどうかってことだ。
もしも、チャンスがあるのならそれを無駄にしてはいけない。
……正直言って今回のことには私も迷いはある。
獣人を騙すのもいやだし、下手をすれば私達は獣人の餌食になってしまうというリスクもある。
だが、セリナの母上の状況は深刻で、のんびりとやってられることではない。
多少のリスクを冒してでも急ぐべきことなのだ。」
「どうしてそこまで…」
「……どうして?…私達は仲間ではないか。」
「仲間……」
セリナの大きな瞳にうっすらと涙の粒が浮かんだ。
「だが、セリナ…
あまり期待しすぎるな。
万一、それが獣人の村にあるとしたら…それは双子石の可能性が強い。
フレイザーの言った通り、願い石ならば彼らがとっくになんらかの願いをかけているだろうからな。」
「ええ…わかっています。」
セリナは潤んだ瞳でダルシャの瞳をまっすぐに見据える。
ダルシャはセリナの身体を抱き締め、低い声で囁いた。
「君の母上は絶対に無事だ。
私達が必ず救い出すからな。」
「ありがとう、ダルシャ…」
ダルシャの腕の中で、セリナは込み上げる涙を必死で堪えた。
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