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旅立ち
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「マ、マジなのかよっっ!!」
「仕方がないではないか…
これは、我が一族の血統のようなものなのだ…!」
そう言って宙をみつめるダルシャに、フレイザーは思わず吹き出した。
「そうか、今、わかった!
エルフの里に行く時、俺達と一緒に行きたがったのもそのせいだったんだな…」
ダルシャは決まりの悪そうな顔をしながら、小さく頷いた。
目が覚めた時、誰もいないことに気付いたダルシャは、きっと皆は泉に行ったのだと考え、そして、とんでもない所へ出てしまい迷ったのだという。
そう、ダルシャは酷い方向音痴だったのだ。
町中でも迷うことがあるらしく、こういう山の中では皆目方向がわからないのだとダルシャは語った。
「我が一族にはきっと酷い方向音痴の先祖がいたのだろうな。
代々、それが子孫達に受け継がれているのだ。
さらに、私達は子供の頃からどこへ行くにも付き添いの者がいた。
移動もだいたいは馬車だ。
だからこそ、余計に酷くなってしまったのかもしれないな…」
「人は見かけによらないっていうか、なんというか…
方向音痴っていうのは女だけなのかと思ってたよ。」
「そうですね。
私も方向感覚にはどちらかというと自信がない方です。」
「そういえば、セリナはラスターの町にも間違って迷い込んだんだってな?
それに、ラシーナに行くつもりで魔の山に入りこんだんだよな?」
フレイザーに指摘されたセリナは、照れくさそうにくすっと笑った。
「あれ…?
ラスター、どうかしたの?」
珍しくダルシャに憎まれ口も聞かず、ラスターは黙り込んでいた。
「……俺の母さんも…方向音痴だったって…」
「え…?
ラスターのお母さん…?」
エリオットの言葉にはっとしたようにラスターは顔を上げる。
「そういえば、ラスターはお父さんとうまくいかなくて家を出て来たって言ってたけど、お母さんはどうしたの?」
「……俺には、母親なんていない!!」
ラスターはそう言い残し、その場から走り去って行った…
「マ、マジなのかよっっ!!」
「仕方がないではないか…
これは、我が一族の血統のようなものなのだ…!」
そう言って宙をみつめるダルシャに、フレイザーは思わず吹き出した。
「そうか、今、わかった!
エルフの里に行く時、俺達と一緒に行きたがったのもそのせいだったんだな…」
ダルシャは決まりの悪そうな顔をしながら、小さく頷いた。
目が覚めた時、誰もいないことに気付いたダルシャは、きっと皆は泉に行ったのだと考え、そして、とんでもない所へ出てしまい迷ったのだという。
そう、ダルシャは酷い方向音痴だったのだ。
町中でも迷うことがあるらしく、こういう山の中では皆目方向がわからないのだとダルシャは語った。
「我が一族にはきっと酷い方向音痴の先祖がいたのだろうな。
代々、それが子孫達に受け継がれているのだ。
さらに、私達は子供の頃からどこへ行くにも付き添いの者がいた。
移動もだいたいは馬車だ。
だからこそ、余計に酷くなってしまったのかもしれないな…」
「人は見かけによらないっていうか、なんというか…
方向音痴っていうのは女だけなのかと思ってたよ。」
「そうですね。
私も方向感覚にはどちらかというと自信がない方です。」
「そういえば、セリナはラスターの町にも間違って迷い込んだんだってな?
それに、ラシーナに行くつもりで魔の山に入りこんだんだよな?」
フレイザーに指摘されたセリナは、照れくさそうにくすっと笑った。
「あれ…?
ラスター、どうかしたの?」
珍しくダルシャに憎まれ口も聞かず、ラスターは黙り込んでいた。
「……俺の母さんも…方向音痴だったって…」
「え…?
ラスターのお母さん…?」
エリオットの言葉にはっとしたようにラスターは顔を上げる。
「そういえば、ラスターはお父さんとうまくいかなくて家を出て来たって言ってたけど、お母さんはどうしたの?」
「……俺には、母親なんていない!!」
ラスターはそう言い残し、その場から走り去って行った…
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