お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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061 : 君を探して

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「それで、リュックさん!
彼女が今どこにいるか、わかりますか!?」

「え……い、いや。そこまでは……ただ……近くに行けば、だいたいのことはわかるかもしれない。」

「それじゃあ、しばらく旅に同行させてもらって良いですか?」

「え……それは、別に構わないが……」

私はリュックの返答にひやひやしていた。
しかし、彼がそう答えるであろうことは、わかってもいた。
彼が何もしないはずはないのだ。
たとえ、どんなに辛い結果になろうとも、彼はマーフィの手助けをするだろうと思っていた。



「リュック、ちょっと酒でも買いに行かないか?」

私はマーフィに気付かれないように、小さく目配せをした。



「え?あ、そ、そうだな。
そうしよう。」







「リュック…カトリーヌさんのことだけど……」

商店街を歩きながら、私はリュックに問いかけた。



「あぁ、その通りだ。
俺が彼女をみつける手助けをしたら、きっと悲しい結末になるだろうな。」

「やっぱり、そうか。
でも、それでもやるんだな?」

「あぁ、見過ごす訳にはいかないからな。」

「それで、場所に思い当たる場所はあるのか?」

「いや、ない。
だが、はっきりと覚えてるから、その場所に行けばわかるはずだ。」

「そうか。
じゃあ、とにかくマーフィには何も言わずに、カトリーヌさんを探すんだな。」

「そういうことになるな。」

話の付いた私達は、酒屋で安酒を数本買い込み、宿に戻った。



「マーフィ…カトリーヌの消息はどこまでわかってるんだ?」

宿に戻り、私達は早速、マーフィに話を聞いた。



「彼女のお母さんに聞いたところ、この先のパドスという港町で彼女のお父さんが昔働いていたということでした。
だから、まず、彼女はそこに行ったと思われます。」

「なるほど。じゃあ、まずはそこだな。」

「ただ、それは、もうずいぶん昔の話らしく、しかも、知り合いの人が見た話らしいので、多分、そこにはもういないんじゃないかと思うんです。
いたら、カトリーヌもすぐに戻って来るはずですし。」

「確かにそうだな。そこで何か新たな情報がみつかれば良いけどな。」

そう言って、リュックはグラスの酒を飲み干した。
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