お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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061 : 君を探して

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「あんたの恋人って…
もしや、金色の髪に目が緑、細身で、白地に青い花のワンピースを着ていなかったか?」

マーフィは目を見開き、心底驚いたような表情でリュックをみつめた。



「ど、どうして、それを……」

私にはその答えがわかっていた。
リュックが夢で見た女性なのだ、と。



「畜生、やっぱり、そうか……」

リュックは小さな声でそう言った。



「リュックさん、教えて下さい!なぜあなたがカトリーヌのことをご存知なんですか!」

「それは…だな…」

リュックが言い淀んでいる理由も私にはわかっていた。
今までのことを考えてみれば、彼が夢に見るのは亡くなった人ばかりだった。
つまり、それはマーフィの探してる相手はもう亡くなっているということ…
だが、そんなことは軽々しく言えることではない。
だから、彼は困っているのだ。



「リュックさんっ!」

「だから、それは……」

マーフィはなおもリュックに詰め寄る。



「マーフィ、彼には不思議な能力があるんだ。」

「不思議な……能力?」

彼は私に問い掛けた。



「あぁ、相手の心の中を読む、とでも言おうか、イメージを感じ取るんだ。」

「心の中を!?
つまり、僕の心の中を見たから、カトリーヌのことがわかったということですか?」

「その通りだ。
なぁ、リュック?」

「え?あ…あぁ、そんなところだ。」

「すごいや!まさに、リュックさんの言う通りです。
青い花のワンピースは、彼女がいなくなった日に着ていたものなんです。
そんなことまでわかるなんて、本当にすごいですね!」

マーフィは、単純にリュックがカトリーヌの見た目を言い当てたことに感激したようだった。



「マーフィ、彼女はなぜいなくなったんだ?」

「実は、僕達は結婚をすることになってたんです。
彼女の両親は幼い頃に別れており、彼女は母親と暮らしていました。
今回、結婚することを彼女はお父さんに報告したいと言い出し、わずかな伝手を頼りにお父さんを探しに出掛けたんです。
でも、もう一ヶ月を過ぎてしまいました。
きっとなかなか見つからないんだと思いますが、僕もようやく仕事が一段落ついたので、一緒に探そうと思って、彼女の後を追って来たんです。」

気の毒なことだが、彼女はこの世にはもういない。
父親を探すうちに、きっとなんらかのアクシデントに遭遇したのだろう。
だが、マーフィにそんなことは言えない。
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