お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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028 : 見えない真実

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「ピーター!なんてことを…!!」

ナタリーはその場にしゃがみこみ、号泣する。
 男は、ただ呆然と立ち尽すだけだった。



 *



その後、暁の女王はなかなかみつかることはなかった。
 女王として我が子を差し出す事を良しとしなかった家族は、そっと町を離れて行った。

 引き抜かれた破魔矢の影響なのか、ただの偶然なのか、その頃から町は酷い災害に見舞われ、さらには流行り病が蔓延し大勢の人々の命を奪った。
 怖れを成した人々は次々に町を離れ、長い年月をかけ、やがて町には誰もいなくなった…



一度は死に絶えた町も、月日の流れと共に再び命の息吹を見せ始めた。
その頃には過去の忌まわしい出来事は人々の記憶から忘れ去られ、少しずつ人が移り住み、やがて小さな集落が出来ていった。
 人数が増えて行くに従い、二つの集落の人々は川の水をめぐって争いをするようになった。
 最初はほんの些細な口論だったものが、次第に大きな争いへと発展し、二つの集落は真っ赤な炎に焼き尽され、大半の者はそこで命を落とした…
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