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「私の方が年上だけど、樹の方がずっとしっかりしてるから、信頼してる。
それは人としても、男性としても。
でも、樹のことを苦しめたくない気持ちも強い。
樹が私のことを好きだなんて言ったら、樹の評判は下がるし、親御さんだって反対すると思う。
それは当たり前のことなのよね。」

「周りのことなんて関係ない!
俺は恵理子のことを本気で愛してるから!」

「それが若さなのよ。
長く生きてると、感情だけじゃやっていけないことがわかるの。
それにね…私のせいで、樹の評判が悪くなったり、親御さんと揉めるようなことになったら、私が平気でいられると思う?」

私の言葉に、樹は唇を噛み締めた。



「なんだ、恵理子さんも樹のことが好きなんじゃない。
相思相愛だったのね。
だったら、なぜ、樹は私と付き合ったの!?」

陽は、激しい剣幕で質問した。



「ごめんね、陽…
私が言ったの。
陽と付き合うように。」

「どうして!?
どうして、そんなこと言ったの!?」

「陽は樹のことが好きだし、樹に相応しいのは私じゃなくて陽だと思ったから。」

樹はその言葉に大きく目を見開き、私をみつめた。
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