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「私は言った方が良いと思うけどなぁ。」

「ううん、今はまだだめ。
恵理子さんも絶対に言わないでよ。
恵理子さんを信用して話したんだから。」

「わかった。絶対に言わない。
でも、子供が出来たのなら、結婚を急いだ方が良いんじゃないの?」

「順番なんて関係ないわ。」

陽はそう言って笑った。
陽らしい考え方だな。
私だったら、きっとめちゃくちゃ焦るけど。



陽と別れて、私は樹の家に向かった。
もう十分にショックを受けたし傷付いた。
だから、この上何を言われようともう大丈夫だ。



やはり、若い男女が三ヶ月付き合って何も無いなんてことはないんだ。
そんなこと、わかってたはずなのに、樹ならやらないんじゃないかと思ったりもしていた。
彼は約束を守る人だから。
でも、彼も若い男性だ。
私はそれを責める気はない。
それどころか、良かったとも思ってる。
これで私もすっぱり諦められる。
これからは、樹の義母として生きていくんだ。



樹と陽の子供…
どちらに似ても可愛いだろうなぁ。



(あ……)



来年には、私、おばあちゃんになるんだ。
おばちゃんどころか、おばあちゃんか…
ちょっとショックだけど、それもまた良いのかもしれない。
「ばあば」なんて呼ばれるのかな?



幸せでちょっぴり切ない妄想をしているうちに、私は樹の家に着いていた。
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