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「彼に好きな人がいるって聞いて、ショックはなかった?」

「それはないなぁ。彼はルックスも良いし、性格も良いから、付き合ってる人もいると思ってた。
だけど、そんなのは想定内のことだからね。
さすがに、結婚してたら諦めただろうけどね。」



我が娘ながら、すごいと思った。
陽は自分に自信があるから、略奪だって出来ると思ってるんだ。



私が樹と付き合ってると知ったら、陽はどう思うだろう?



「ねぇ、東堂君の好きな人って、どんな人だと思う?」

「う~ん、見た目はそんなに良くない人だと思う。
樹トレーナーは、見た目より内面を見る人だって思うからね。」



陽はけっこう鋭い。
確かに私はただのおばちゃん。
美魔女でもなんでもなく、年相応に老けてて、ぽっちゃりで美人でもない。
でも、内面もそんなにたいしたことないんだけどなぁ。



「あなたは、内面に自信はあるの?」

「好き嫌いはあるかもしれないけど、そう悪くはないと思うよ。
恵理子さんから見たら、どう?」

「ええっ!?えーっと。
はっきりしてるし、意思が強いし、正直だし…良いと思うよ。」

「そっか~、恵理子さんはそんな風に思ってるんだね。」

「え?違う?」

陽は、うっすらと微笑んだ。
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